LucianBee's
□君を独り占め
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朝目覚めたとき、隣に君がいる幸せ
君を独り占め
ぶ厚いカーテンを開けると、柔らかな朝の日差しが差し込む。
遠くに見える薔薇園の薔薇が、朝露に朝日を浴びて、輝き咲き乱れる姿が手に取るように知れた。
朝日は白と金を基調にしたこの部屋の中にも降り注ぎ、家具やらなにやらを輝かせている。
もう少ししたら、メイドが目覚めのモーニングティーを持ってくる。今日の茶葉はなんだろうね。ベッドにうつ伏せに眠るジェシーに、そうささやいてみる。
「ん……」
くすぐったそうに、気持ちよさそうに眠る君を見ていると、まるで昨日の夜の出来事がすべて夢だったような気がしてくるよ。
僕は毛布からはみ出た君の腕や背にキスを落とす。
たとえ昨日の出来事が夢だったとしても、今、この瞬間は現実だと認識するために。
君の白い肌が所々桃色に染まる。
僕は満足げにその姿を見ていた。
「……ん…?…………」
「お目覚めかい?」
僕のキスが睡眠を妨害したのか、それとも眠り姫を覚ますそれだったのか。
君は目をこすりながら、気だるげに上体を起こした。
そして僕の顔を見て、自分の姿を確認すると、突然真っ赤になって毛布を頭までかぶってしまった。
「どうしたんだい?」
「うるさい!」
「もしかして、昨夜の…」
「言うな!」
毛布から顔だけ出して、君はまるで手負いの獣のように僕を威嚇する。
その姿も愛らしいと思えるのは、やはり恋の病に感染しているからだろうか。
「何もしないから、出ておいで」
「昨日は散々したくせに」
「おや?同意の上……だったよね」
そうしたら君はますます真っ赤になって、ベッドにうつ伏せてしまう。
顔を枕で隠した君がうめく。
「…お前なんか、嫌いだ」
「僕は大好きだけどね」
「嫌いだ。嫌い。死んでしまえ」
君が適当に投げた枕がぼふんと僕の胸に当たった。
「ジェシー……」
そんなに拒絶されると困ってしまうな。
昨夜はあんなに近くなれたと思ったのに、また君を遠くに感じるよ。
「……バカか、本気にするな」
君がそっと起きあがった。
頭から、肩から、毛布がはらりと落ち、均整の取れた体が露わになる。そしてその体に、昨晩僕が刻んだ愛の証も。
「−−お前のこと、ちゃんと好きだから」
あぁ、ずるいな。その表情。今すぐ部屋に鍵をかけたくなる。だって、こんな君、誰にも見せたくないもの。
ねぇ、今だけ、独り占めしてもいいかな?
end
レミジェシ。
めくるめく朝チュン。レミィさんはいろいろ激しそうです。