LucianBee's

これが私のご主人様
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君の一番になりたいなんて言わない
そのかわり、一番側にいさせて


これが私のご人様


私はネコ。名前はアレクサンドラ。
いつもはアレクと呼ばれてるわ。
私のご主人様は言わずと知れた、全世界的ボーダーレスアイドルROMANXIAのメンバーなの。
あら、アイドルなんて大変でしょうって?かまってもらえないんじゃないかって?
その考えは甘いわね。
私のご主人様はできることなら全世界ツアーにも、私を連れていきたいくらい愛してくれてるの。まぁ、それができなくて写真で我慢してるみたいだけど。
その分、家にいるときはたっぷりかまってもらってるわ。
うん。
でも、そうね。最近は少し事情が違う。
どうやら、ご主人様に恋人ができたらしいの。しかも男の。別にケーベツする気はないわ。恋愛なんて自由だし、私が口だしできることでもないし。
あ、噂をすれば、また来たわ。あの金髪の……なんていったかしら?忘れちゃった。
私のご主人様を独占しようとする男の名前なんて覚えたくないわ。
嫉妬してるのかって?
してたわ、最初のうちはね。でもあの人もネコが好きみたいだし、嫉妬は醜いからやめたの。美しい毛並みの私には似合わないでしょ。
あぁ、ほら。またべたべたし始めた。
いつもそうやってあの人が来ると、二人でベットの上を陣取っているのよね。
ちなみにそのご主人様のひざの上が私の定位置よ。邪魔してるわけじゃないけど、かすかな反抗かしら。それに私がそこにいないとご主人様ったらすぐ逃げ腰になるんだもの。まったく、女性相手には強気なのに、困ったご主人様よね。

−−−−−

楽しい時間ってすぐに過ぎるのね。あっという間に、帰宅の時間。
金髪のあの人が私のノドをなでて「じゃあなアレク」と言った。私はにゃあと返してあげた。

「……またな。ジェシー、愛してるぜ」
「…………」

あの人はいつもこうやって別れ際にご主人様に愛の言葉をささやくの。
でもご主人様は照れ屋だし、素直じゃないから絶対「好き」なんて返さない。
本当は一緒にいるのも、ふれあうのも、キスをするのも好きだって、私にもらしていたのに。
ね、顔を真っ赤にしても、黙ってるだけじゃ気持ちは伝わらないのよ。
ほら、なにも言わないと帰っちゃうわ。
引き留めないの?
もっと一緒にいたいんだ、って。
また、一人になってから後悔するの?
ねぇ?
私はご主人様の足元にそっと寄り添って、応援する。
そうよ、ご主人様が幸せなのが一番なの。


「………ヴァン…」
「?」
「…よければ……泊っていくか?」
「!!」


まったく世話が焼けるわ。
ねぇ、金髪のあなた。もちろん断ったりしないわよね。
ご主人様の勇気を無駄にしないで。
もしも断ったら……私が引っかいてやるんだから。


END




ネコ目線のヴァンジェシ。アレクはメス(に勝手にしました)
当家にはめずらしいデレジェシー。



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