LucianBee's
□Baby.I Love You!
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可愛い、は正義!
Baby,I Love You!
「カトル。オメェ、ガキがいたのか?」
オレの部屋にやってきたカトルは、なぜか子供を連れていた。
ロマンシア一手の早いレミィでも、まだガキが出来たという噂も、スキャンダルも聞かない。それを押しのけ、いつの間にこしらえたんだ?と聞くと、
「まさか。全然似てないじゃないか」
そう言って笑った。よく見れば、カトルとは似ても似つかないフワフワな髪の小さなガキは「誰か」を彷彿とさせる表情でつられたように笑っていた。
「ほら、このお兄さんが遊んでくれるよ。ご挨拶は?」
ガキはオレを見上げた後、ペコリと頭を下げた。
ダークブルーの髪がふわりと揺れた。
「で、誰なんだよ、このガキは」
「わからない?ジェシーだよ」
「はぁ?ジェシーの子供?」
「違う違う。本人」
「んだよー、本人かよー。オレ、あいつのガキかと思っ…………本人ん!?」
慌てて叫ぶオレを、カトルは楽しげに見ていた。まるで全てを予想していたかのような笑みだった。
「なんでジェシーがガキになってんだよ!?」
「…うーん、アジアの神秘?」
んだよそれ。と、いろいろ言いたいことはあったが、カトルが右手に隠し持っていた闇器をきらめかせたのでやめた。
無鉄砲なオレだって、命は惜しい。
「しかも、外見上だけじゃなくて、中身まで子供になっちゃってるんだ。さっきから遊べ遊べってうるさくて」
「はぁ」
「元に戻す方法がわかるまで面倒みててくれないかな」
「オレ、でいいのか?」
「嫌なら他へ行くけど?」
「い、いや。いいぜ、遊んでやる」
カトルに背を押されたジェシーはとたとたと走ってきて、オレの腕をつかんだ。
くりりとした大きな瞳がオレを見る。
……可愛い。
いや、別に普段のあいつが可愛くないわけじゃないけど、これは、
ジェシーがオレを見て、ニコリと笑った。
−−可愛いすぎだろっ!
あぁ、もうこのまま素直に大きくなってくれればいいのに!
「あ、ヴァン。先に言っておくけど」
「あんだよ」
「手を出したら、犯罪だよ」
わかってる、つもりだ。
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