LucianBee's

落下地点、君
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一直線に落ちていく
恋の奈落に落ちていく


落下地点、



まったくこの、恋ってやつは

「誰だ、お前」

些細なことをきっかけに生まれるらしい

例えば、指が触れ合ったり
例えば、ちょっと視線が合ったり
例えば、意見が同じだったり

「お、俺は、ヴァン。オメェらROMANXIAのリーダーだ」

例えば、特別に何もなくても
生まれてしまう

その感覚はインスピレーションにも似て

俺の気持ちも
相手の気持ちも
全部無視で

思いもせず
思いがけず

突如に
唐突に
突然に

「ヴァンか…。まぁ、よろしくな」
「お、オメェの名前は」
「あ?……ジェシーだ」

胸が痛くて
顔が熱くて
言葉がうまく出てこない

「そっか……ジェシー。よろしくな」
「あぁ」

いとも簡単に
至極当たり前に
そうであることが自然のように
−−恋は

「始まったかも」
「何がだよ」

ジェシーが不思議そうな顔で俺を見た。
なんでもねぇよ、と笑っておいた。


理由なんてないんだ
理屈じゃないんだ


END


−−−−−

恋ってやつは5題より「些細なことをきっかけに生まれるらしい」編。
ヴァン→ジェシー出会い話。

「確かに恋だった」様からお借りしてます



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