逢魔ヶ刻動物園

□作業服に着替えたら
1ページ/1ページ





「その奥にあるじゃろ」

「ないですよ?」

「じゃあない」

「ええー…あっ!!ありました!作業服!」

「なら早く着替えろ」

「はいっ」

「………」

「……え?」

「なんじゃ」

「あの…私、着替えたいんですけど…」

「だから、なんじゃ」

「…出てって下さいよ」

「なんで」

「なんでって…着替えるんですよ!?」

「ああ、だから?」

「〜っ!下着姿見るつもりですかっ!!」

「ワシのことは気にするな」

「気にしますよっ!!だって園長元は人間の男の人でしょ!?」

「まぁな」

「…っとにかく!!一回出てて下さい!!」


グイグイ…


「おい、押すな」

「もうっ!」


─バタン!




「フゥ……」



やっと出ていってくれた…。さすがに(今はウサギだけど)男の人の前で着替えるのは無理だよ…。
やっぱり女の子だもん。ほら、アレとか色々…ねぇ?
園長は全然気にしてなかったみたいだけど…。




「…単純なのか鈍感なのか…」




作業服の上下を着て、匂いを嗅げば、少しホコリの匂いがした。
多分しばらく、(いやかなり)着られてなかったのだろう。



「…よしっ」



─バタン



「終わったのか?」

「はい!どう!?飼育員っぽいですか!?」






今は難しいこととか呪いとか全然わからないけど、とりあえず精一杯頑張ろう。ここにいるみんなのためにも。ドジな自分を変えるためにも。







(よしっ!!)
(うるさい)
(痛あぁぁぁ!)


─end─



第一話で思いついたもの。着替えの合間にこんなやりとりがあったらいいなと思った^ ^

.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ