逢魔ヶ刻動物園
□作業服に着替えたら
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「その奥にあるじゃろ」
「ないですよ?」
「じゃあない」
「ええー…あっ!!ありました!作業服!」
「なら早く着替えろ」
「はいっ」
「………」
「……え?」
「なんじゃ」
「あの…私、着替えたいんですけど…」
「だから、なんじゃ」
「…出てって下さいよ」
「なんで」
「なんでって…着替えるんですよ!?」
「ああ、だから?」
「〜っ!下着姿見るつもりですかっ!!」
「ワシのことは気にするな」
「気にしますよっ!!だって園長元は人間の男の人でしょ!?」
「まぁな」
「…っとにかく!!一回出てて下さい!!」
グイグイ…
「おい、押すな」
「もうっ!」
─バタン!
「フゥ……」
やっと出ていってくれた…。さすがに(今はウサギだけど)男の人の前で着替えるのは無理だよ…。
やっぱり女の子だもん。ほら、アレとか色々…ねぇ?
園長は全然気にしてなかったみたいだけど…。
「…単純なのか鈍感なのか…」
作業服の上下を着て、匂いを嗅げば、少しホコリの匂いがした。
多分しばらく、(いやかなり)着られてなかったのだろう。
「…よしっ」
─バタン
「終わったのか?」
「はい!どう!?飼育員っぽいですか!?」
今は難しいこととか呪いとか全然わからないけど、とりあえず精一杯頑張ろう。ここにいるみんなのためにも。ドジな自分を変えるためにも。
(よしっ!!)
(うるさい)
(痛あぁぁぁ!)
─end─
第一話で思いついたもの。着替えの合間にこんなやりとりがあったらいいなと思った^ ^
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