その他

□くすぐったい?気持ち良い?
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ヒカリの家に行ったら、ちょうどヒカリはいなかった。
ヒカリママにどこに行ったか聞くと、「ヒカリならシンジこに行ったわよ」と教えてくれた。




「俺にこんな手間掛けさせやがって…後で罰金だ!」



俺は走ってシンジこに向かった。







「…あ」

「………」



いた。
静かに湖を見つめてる。
何かあるわけでも無いし、ポケモンを捕まえに来たとは考えにくい。
何してんだ?


「………」

「………」



俺は気づかれないように、そーっとヒカリの後ろに回った。
どんどん距離を縮めていき、



「おらっ!」

「ひゃあっ」



ヒカリはビクンと体を跳ねさせ、へなへなと下に座りこんでしまった。
え?ただ脇腹をくすぐっただけだぜ?

ヒカリは振り返り、涙目でじろりと俺を睨んで「何でジュンがいるの!?」と怒鳴った。



「何でって…ヒカリん家に遊びに行ったらお前いねーんだもん」

「ママ…話したわね」

「でさ、お前ここで何してんだよ?」

「…今日は一人でいたい気分なのよ。だからジュンとは遊べないの」


ヒカリはそう言うと、今度は座ったまま湖を見つめ始めた。
俺がいくら後ろから話しかけても反応しない。



「………」

「…じゃあいいよ。俺は俺で遊んでっから」

「………」


とことん無視かお前は。
なんだってんだよ。と一言呟き、とりあえず何して遊ぶか考える。
……………………あ。



「よーしっ」

「……」

「うりゃ!!」

「!」


ヒカリを押し倒して、仰向けに反転させた。



「ちょっと!ジュン!!今こんなことする気分じゃ…っあ!!」


最初にやったみたく、脇腹のあたりを両手でくすぐるとヒカリはまたビクリと反応する。
面白い。


「へへっ!ヒカリはくすぐり弱いみたいだな!」

「ちょっ…んっ、や…だっ
…あぁ…っ!!」

「………」


止めろよその声。
何かいけないことしてるみたいじゃないか。
そうだ俺はくすぐってるだけ。そうそれだけなのに。


「っ…!っ!や、めて…よジュン…!」



目に涙を溜め、顔を真っ赤にして(くすぐりに)耐えてるヒカリを見てるとなんか、なんか



「…欲情した」

「は…ぁっ?」

「なぁヒカリ」

「…っ、ん?」

「これってくすぐったいの?気持ち良いの?」


俺がニヤリと笑いながら聞くとヒカリは「くすぐったいのよ!!バカじゃないの!?」とまた睨む。



「…ふーん」

「いっ!!」

「気持ち良さそうな顔、してるけどな」

「違う…ってば!!いいから、離れてよっ!」


やだ。と一言。
他に敏感な所ないかなと手探りで身体中触ってみる。


「っひ!」

「あ、悪い。変なとこ触った?」

「違う…っ」


無理しちゃって。
…あれ?なんか目的変わってないか?
最初はくすぐってただけなのに。
今はちょっとした愛撫に…ってダメだダメだ。
さすがに外でヤるのはマズイ。いくら人が少ないからって無理だ。
ヒカリに嫌われる。二度と口聞いてくれないかも。
それだけはゴメンだ。



「………」

「…っ、ん…」

「あのー…」


「「!!」」



続きは後にするか。と思ってもうそろそろ解放してやろうかと手を離そうとした時だった。
タイミング悪くシンジこの入り口にコウキが立っていた。



「………」

「っ……!!」


一瞬で空気が氷りついた感じだ。
ヒカリはわなわなと震えているし、コウキは顔を真っ赤にして苦笑してるし、



「え、…いや…あのこれは誤解だぜ?コウキ」

「邪魔しちゃってごめんなさいっ!!」


ダッ!!


コウキはものすごい勢いでシンジこから姿を消した。
残された俺とヒカリ。
ああ、あとでどう誤解を説こう。


「どうしようか…なぁヒカリ、」

「ジュンの…」

「え?」

「ジュンのバカァァァ!!」




いや、それより先にヒカリをなだめることが先だな。







(ぼ、僕何も見てないから!!)
(だから誤解だってぇ〜!)



─end─



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