その他

□あたしの彼氏は
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あたしの彼氏は、


せっかちで煩くて負けず嫌いで人の話しを聞かなくて…



「ヒカリー!」

「ちょっと!どこ触ってんのよ!!」



とても変態です…。





「何だよ何だよ何だってんだよ!!」

「…アンタが変なとこ触るからでしょ」

「変なとこって…ココ?」

「っひゃあ!!ちょっとジュン!」


あたしの胸を当たり前のように触ってる(掴んでる)のは幼なじみであり彼氏でもあるジュンだ。
前はもう少し常識人っぽかったけど、今は全ッ然!

どんどん変態に拍車がかかってきている気がする…。




「…にしても、相変わらずの貧乳だなぁ」

「なっ!?」

「俺が揉んで大きくしてやるよ!」

「バ、バカじゃないの!?…って、本当に揉まないでよっ!!」


バシッ!


ジュンの顔に平手打ちした。
頬は赤く染まり痛々しいけど、当然の報いよ!


「…っ!何だってんだよ!!俺にこんなことするなんて罰金だ!」

「アンタが変態だからいけないんでしょー!」

「しょうがねーだろ。ヒカリ見てるとムラムラすんだから」

「なっ…」


開いた口が塞がらないと言うのはまさにこのことだ。
ジュンが真顔で言うモンだから何も言い返す言葉が無い。



「だからそのムラムラ解消のためにも俺とセッ…」


バキッ!


「痛ぇぇー!!」

「何考えてんのよ!!」


今度はグーでさっきとは逆の頬を殴った。
あまりの痛さにうずくまるジュン。



「………痛、」

「…アレ?」


なかなかうずくまったまま、顔を上げようとしない。



「…っ…う」

「ちょっ、ちょっと!大丈夫?!」


だんだん心配になってきた。



「ジュン!ごめんね!!何でもするから許して!」

「…本当だな?」

「え?」


ドサッ!


気づくと、視界にあるのはジュンの顔。
…え?え?え??



「…いつつ…まったく手加減しろよな少しは」

「ジュン!?え?痛くてずっとうずくまってたんじゃないの?」

「それもあるけど…」

「…騙したわね?」

「騙される方が悪い」



そう言って笑う彼の顔は逆光のせいか、とても黒い気がした。
いつもの眩しいくらいの笑顔はどこへやら。



「…で?」

「え…」

「何でもしてくれるんだって?」

「あ、いや…その…」


ひくっと笑顔がひきつる感じがした。
ああ、これから何をすればいいのか。いや、何をされるのか。
想像できないし、想像したくもない。



「…もし、逃げたら?」

「罰金罰金お仕置き罰金」

「……」


そう言って笑う彼は目が全く笑ってない。
ああ、いつからだろう彼がこんなに変わってしまったのは。



「諦めろ」

「…は、い…」






(私の彼氏はドSです)


─end─



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