□乙女病
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「はぁー…」



レグルスはここ数日のゆかりの態度と、昨晩の出来事を思い出し気分が沈んでいた。

原因は最近付き合い始めた恋人のゆかりとの間にあった。彼女とは交際をきっかけに獅子宮で一緒に生活し始めた。

自他共に認める仲良しカップルで、年上のゆかりは周囲から「甘すぎる」と言われる程レグルスを可愛いがっている。

しかし昨晩、そんな彼女といつものように同じベッドに入り、レグルスが事に及ぼうとゆかりのパジャマの中に手を入れたとたん、



『触らないで。』



と冷たい一言が返ってきたのだった。



「もう…何でなんだろう。はぁ…。」



まだ執務室に来たばかりなのに本日二回目となる大きなため息。



「どうしたんだぁ?お前が元気無いなんて珍しいな。ゆかりとうまくいってないのか?」



さすがマニゴルド、鋭い。



「…うん。それがさ、ゆかりの態度が急に冷たくなって…。昨日なんて夜、拒否された。」

「(そんな顔してヤる事ヤってんだな)何か気に障る事言ったんじゃねぇの?お前空気読めないし。」


「えっ、そんな事無いと思うけど…。二、三日前まで普通だったんだよ?なんか徐々に機嫌悪くなってって、イライラしてるみたいで。今まで喧嘩どころか言い合いさえした事なかったのに。」



もしゆかりに嫌われたらどうしよう?マニゴルドの言う通り失言しちゃったのかもしれない。もしこのまま仲が悪化してゆかりを失う事になったら…そんなの絶対に嫌だ!



「原因はわからないけど、俺とりあえずゆかりに謝りに行ってくる!」



最悪な考えが頭をよぎり、いても立ってもいられなくなったレグルスはバッと立ち上がった。しかし今にも駆け出して行ってしまいそうなレグルスの腕をマニゴルドが掴んで引き止めた。



「ちょっと待てレグルス。ゆかりは二、三日前からイライラしてんだな?」

「うん…。」

「ダルそうにしてなかったか?」

「調子良さそうには見えなかったけど。」



レグルスの言葉が引っ掛かるのか何やら考えているマニゴルド。



「あ、でも腰が痛いとは言ってた。」



それを聞いたマニゴルドはやっぱりなと頷いた。





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