□監禁ダイエット
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「お前最近太ったか?肉付き良くなったよな。」

『え…』

「ほら、太腿とか腕とか。腹の辺りも少し肉付いただろ。」



情事後、全裸でベッドにゴロゴロしていたゆかりの身体をマニゴルドはフニフニと触ったり揉んだりしている。彼はイヤミでは無く、ただ女性独特の柔らかい感触を楽しむように触っていたのだが、当の本人にとっては違った。



『やっぱり太ったよね…。』

「ああ。」

『……。(まずい、こんな身体じゃマニゴルドに嫌われちゃう!)』

「ゆかり?」



うつむき黙ってしまった彼女を覗き込もうとした時、急に顔を上げたのでちょうどゆかりの頭がマニゴルドの顎にぶつかってしまった。



「痛ぇ!」

『私決めた!こうなったらちゃんとダイエットする!』



意を決したゆかりには顎を抑えて涙目になっている恋人の姿など視界に入っていない。



『マニゴルド、当分Hはしないから!』

「はぁ?何言ってんだよ、意味わかんねぇ!」

『私が痩せるまで待ってて。』

「痩せる?俺はそんなつもりで言ったんじゃねぇよ。今の体型で充分だ。」

『いや、ダメだよ。痩せて引き締まった身体を手に入れないと!』


「だからってセックスしないってのは違うんじゃねぇか?」

『ううん、これ以上だらしない姿を晒せない。』



そう言いながらゆかりは素早く服を身に付けていく。



「ちょっと待て!痩せるっていつまで掛かるんだ?」

『そんなのやってみなきゃわからないよ。』

「わからないって…俺は納得出来ないぜ!無期限にお預けって事じゃねぇか!」

『それじゃあ行ってきまーす。』

「人の話を聞け!しかも何処行くんだよ!?」

『ウォーキング。』



当たり前のように言い放つとゆかりは早歩きで巨蟹宮を出て行った。



「なんでこんな事に…。」



自分の何気ない言葉がまさかゆかりをダイエットに駆り立ててしまうなどと、全く予期していなかったマニゴルドはうなだれた。





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