双狐小咄

□勝負は厳しく、助手には甘く
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「麻雀とは、対子から成る雀頭を一つ、そして順子または刻子から成る面子を四つ作ることが目的で──」
「トイツ……?」
「──初心者はまず副露しないことだ。鳴いて良いのは役牌のみで──」
「ふ、フーロ?」
「──つまり、門前を維持することが和了る為に最も効果的な──」
そこで、ライドウの助けを求める様な眼差しがナルミへ向けられた。
当たり前だ。麻雀用語をこれでもかとばかりに並べ立てて理解できるなら、そもそも初心者とは言わない。
「雷堂、雷堂。そんなに難しい言葉使ったって解らないって。とりあえず、一局見てもらった方が良いんじゃないか?」
苦笑しながら助け舟を出すナルミに、ライドウはほっと安堵の溜め息を吐いた。
麻雀とは金を賭けてやる遊戯らしい。
実際は賭けなくても良いのだが、鳴海が麻雀でスったという話ばかりを聞いていたライドウは、賭事の一種なのだと信じて疑わなかった。
見たところナルミも雷堂も相当強そうだ。その二人と対局している雷堂の仲魔達も。
基礎すら知らない自分が勝てる相手では無い。有り金残さず巻き上げられるのは目に見えている。
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