短編

□嫁は婿。婿は嫁
1ページ/3ページ

『お腹空いた〜っ!!』

「さっき食べたばかりでしょーが!!」

本当に、よく食べる子だと俺様は思うよ。
だって、さっき俺様の特製料理を全部食べたうえで、まだお腹空いたとか言ってくるし。

料理が少なかったら、お腹空いたって言うのも納得出来ちゃうけどさ…。

大男が食べる量なみに作ったんだけど…。
そのうえで、お腹空いたって…馨ちゃん…それでも女の子?

でも、あれだけ食べて体型がいいのは何で?
かすがなみに、体型がいいんだけど…。

『さ〜す〜け〜!!お〜な〜か〜す〜い〜た〜!!』

「夕飯まで我慢!!」

『夕飯まで、まだまだ時間があるよ〜』

床に寝転がってジタバタと暴れ出す馨ちゃん。
子供だね……。

「はぁ〜…そういえば馨ちゃん、部屋は片付けた?」

『片付けたよ〜』

「本当〜?」

『ホント、ホント』

目を合わせようとしない…。
これは嘘をついてるね。馨ちゃんは、嘘ついてる時は絶対、目を合わせようとしないんだもんね。

よし、確かめに行くとしますか。

『ん〜?佐助、何処へ行くの?』

「馨ちゃんの部屋」

『なっ…何故っ?!』

「本当に片付けたかどうか確かめるため」

『佐助っ!!待って待って!!片付けてない!!片付けてないから!!』

あら?
案外、早く素直になったね。
もうちょっと言い訳とかするって思ってたんだけど…。

『片付けてきまぁ〜す』

「馨ちゃん、今日は素直だね」

『今のこの状態で夕飯を抜かれたら、たまりませんから』

なるほどね。
夕飯のために片付けるってわけね。
ん?なら、この手を使って、ちょっと馨ちゃんには働いてもらうとしますか。










数分後――。

『佐助っ!片付けた!!片付けたよ〜!!』

「よしよし。いい子だね」

この子は頭を撫でてもらうのが嬉しいみたいで…こうして、俺様は今、馨ちゃんの頭を撫でてあげている。

子供みたいだよ…。
馨ちゃん、もういい年頃なのに…。

そういう俺様は、オカンみたいだとか言わないようにね。

「じゃあ、馨ちゃん。次は洗濯したいんだけど…手伝ってほしいんだ〜」

『え〜?やだぁ〜。面倒くさいも〜ん』

そうくると思ったよ。

「夕飯…抜きにしちゃうよ〜?」

『洗濯ね!!よし!!まっかせなさい!!』

おーおー、すごい勢いで洗濯してるね。
あれ…ちゃんと洗えてるの?
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ