Black world

□第三弾
1ページ/5ページ

「む〜…」

机と顔をべちゃんとひっつけ、むす〜っと膨れる姿を見て、佐助は溜め息をついていた。

「旦那〜、確かに独眼竜の旦那には逃げられたけど…そんなに拗ねること?」

確かに政宗に逃げられたことは刑事としても大失態。
だが、幸村は政宗以外はきっちりと逮捕出来ており、一度も取り逃がしたことはなかったのだ。

「悔しいのだ…だが…政宗殿の言う鬼ごっこがどこか…楽しくて…って、刑事である某が楽しいなど〜!!」

また机にべちゃんとなる幸村。

「(あ〜…なるほど。相手が強くてそれが嬉しくてまた戦いたいって思ってるわけね)」

「………佐助」

「……何?」

「団子が食べたい…」

「(またそれですかい…ι)」

コロコロと考えが変わる幸村を見て、相変わらず子供だなぁ〜と思う佐助であった。

「佐助〜…」

「はいはい」

そう言いながら、要求されてないお茶と団子を用意し、幸村の机にコトンと置いた。

「さすが佐助!!では、ありがたく頂戴致す!!」

差し出されたお団子を、むしゃむしゃと子供っぽい表情を見せながら、嬉しそうに食べる。

「旦那は、団子あればすぐに元気になるよね。まぁ、そこがいいところなんだけど」

「む?何か言ったか?佐助」

「いや、なーんにも」

佐助は可愛いなぁとか思いながら、幸村を見ているが、幸村は「そうか」と軽く流して、団子を食べることに再び集中し始める。

「旦那、ほらみたらしがついてる」

口元についている、みたらしを手で拭き取ってやり、それを自分の口に運び、ペロリと舐める。

「さっ、佐助っ///!!何も舐めずともせんでよかろうっ?!」

「顔を真っ赤にさせちゃって…旦那は可愛いなぁ」

「某はおなごではあらぬー!!」

「はいはい」

顔を真っ赤にさせてる幸村の姿を見て、ククッと喉を鳴らして笑う佐助。

「幸村、佐助、少しいいかのぅ?」

「おっ、御館様あああ!!」

幸村が勢いよく、現れた信玄のもとに駆け寄ろうとする。

……が。

「ふんぬ!!」

バキイイイイ!!

「ぐはぁっ!!」

「まだまだ甘い」

「…で、大将。仕事?」

いつもやっているじゃれあい(?)に、多少呆れながら、信玄に仕事内容を確認する。

「うむ。実はある者の警護を頼もうかと思うてのぅ」

「それは、SPの仕事じゃあ…」

「SPより遥か上の力を持つお主らでないといかんのじゃ」

「……何か、ヤバそうな任務っぽい?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ