Black world
□第三弾
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「む〜…」
机と顔をべちゃんとひっつけ、むす〜っと膨れる姿を見て、佐助は溜め息をついていた。
「旦那〜、確かに独眼竜の旦那には逃げられたけど…そんなに拗ねること?」
確かに政宗に逃げられたことは刑事としても大失態。
だが、幸村は政宗以外はきっちりと逮捕出来ており、一度も取り逃がしたことはなかったのだ。
「悔しいのだ…だが…政宗殿の言う鬼ごっこがどこか…楽しくて…って、刑事である某が楽しいなど〜!!」
また机にべちゃんとなる幸村。
「(あ〜…なるほど。相手が強くてそれが嬉しくてまた戦いたいって思ってるわけね)」
「………佐助」
「……何?」
「団子が食べたい…」
「(またそれですかい…ι)」
コロコロと考えが変わる幸村を見て、相変わらず子供だなぁ〜と思う佐助であった。
「佐助〜…」
「はいはい」
そう言いながら、要求されてないお茶と団子を用意し、幸村の机にコトンと置いた。
「さすが佐助!!では、ありがたく頂戴致す!!」
差し出されたお団子を、むしゃむしゃと子供っぽい表情を見せながら、嬉しそうに食べる。
「旦那は、団子あればすぐに元気になるよね。まぁ、そこがいいところなんだけど」
「む?何か言ったか?佐助」
「いや、なーんにも」
佐助は可愛いなぁとか思いながら、幸村を見ているが、幸村は「そうか」と軽く流して、団子を食べることに再び集中し始める。
「旦那、ほらみたらしがついてる」
口元についている、みたらしを手で拭き取ってやり、それを自分の口に運び、ペロリと舐める。
「さっ、佐助っ///!!何も舐めずともせんでよかろうっ?!」
「顔を真っ赤にさせちゃって…旦那は可愛いなぁ」
「某はおなごではあらぬー!!」
「はいはい」
顔を真っ赤にさせてる幸村の姿を見て、ククッと喉を鳴らして笑う佐助。
「幸村、佐助、少しいいかのぅ?」
「おっ、御館様あああ!!」
幸村が勢いよく、現れた信玄のもとに駆け寄ろうとする。
……が。
「ふんぬ!!」
バキイイイイ!!
「ぐはぁっ!!」
「まだまだ甘い」
「…で、大将。仕事?」
いつもやっているじゃれあい(?)に、多少呆れながら、信玄に仕事内容を確認する。
「うむ。実はある者の警護を頼もうかと思うてのぅ」
「それは、SPの仕事じゃあ…」
「SPより遥か上の力を持つお主らでないといかんのじゃ」
「……何か、ヤバそうな任務っぽい?」