Black world

□第一弾
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「旦那、今そっちへ向かった」

『分かった』

ピッ

パタンと携帯を閉じて胸ポケットにしまい、その代わり、銃を取り出す。

そして、その銃を片手で構え、相手が来るのを伺う。

「(………今だ!!)止まれっ!!」

「っ?!何でデカが先回りしてんだよっ?!俺の手下が足止めをしていたはず…!!」

「某には優勝な相棒がついている。それ故、某達から逃れることは不可能で御座る!!」

「………?それがし…?御座る…?」

「はっ!!」

慌てて手で口をおさえ、タラリと頬に流れる冷や汗。

「も〜!!その口調、犯人逮捕の時は使うなっていつも言ってるでしょ?旦那」

ストッと犯人の背後にいきなり現れ、犯人は驚いて思わず、持っていたナイフを落とす。

だが、前には幸村、後ろには佐助がおり、もはや袋の鼠状態だった。

「しっ…仕方がないであろう?!これが普段の某の口調であるから、つい…」

犯人に銃を向けつつ、犯人の後ろにいる佐助にひたすら話を続ける幸村。

「ついじゃないでしょ!!旦那、そんな言葉遣いしてると、犯人にナメられちゃうよ?!」

そして、佐助は犯人の背後から銃を向けつつ、犯人の目の前にいる幸村に話を続ける。

「あのよ…挟み撃ちしてまで俺を挟んで会話すんのはやめてくんね?大人しく逮捕されるからよ…」

「「あっ」」

犯人の言葉でようやく今すべき事を思い出し、ガチャンと犯人の手首に手錠をかける。

「は〜…逮捕っと」

「なんか…あっけないで御座るな」

「旦那のその口調のせいだと思うんだけどね」

「なっ?!」

犯人を車へと連行しながらまだコント(?)を続ける。

「(俺…何でこんな奴らに捕まったんだろ…?)」

あまりにも刑事らしくない二人に捕まったことに悔やむ犯人なのでした。

バタンッ

「さて、署へ向かうとしますか」

「そうで御座るな」

そして、無事犯人を捕まえることに成功し、署へと車を走らせるのであった。

「あっ、そうだ」

運転をしながらゴソゴソと胸ポケットを探り、白い紙を幸村に渡す。

「?何で御座るか?これは?」

「ああ、大将が追っている組織でさ…その3つの組織のアジトもボスの顔もわからなくてさ…そいつ、その3つの組織と関係ないか、今聞いておいて」

「今?今じゃなくとも取調室ではかせても…」

「……スパイがいるかもしれないからね。今聞いておくのが一番なんだよ」
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