素敵な頂き物

□今日ぐらい私が優位になりたいの(BL)
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パン!!パン!!と竹刀の音が、中庭から聞こえてくる。
中庭には奥州筆頭・伊達政宗と紅蓮の鬼・真田幸村が、竹刀で打ち合っていた。
何故この二人が打ち合いをしているのかと言うと、とある事がきっかけで打ち合いを始めた。




「Hi!!幸村」

「なんですか、政宗殿」

「たまにはbodyを動かさないか?」




政宗と幸村の二人の間柄は恋同士の部類に入る。
それは、それは、周りが飽きれてしまう程である。
四六時中、二人で一緒に過ごしている。
ある者は口から砂を吐き、ある者は野菜に話しかけたり。
またある者は、毎日泣いてお隣に酒を片手に愚痴を言う始末である。




久しぶりの逢瀬で、二人で城下町を遊んでいたり、遠出をしたりと俗に言うイチャイチャをしていた訳だ。
しかし流石に、これが三・四日と続けば、そろそろ違う事がしたくなる。
そこで何か他にする事はないかと考えていた時に、ある妙案が政宗の頭に浮かんだ。
自分の考えに、ニヤリと笑い自画自賛する政宗。
そんな政宗を見た複数の部下達から、「明日は槍が降ってくる」と言われているのは内緒だ。




「ボ・・・?」

「要するに、打ち合いをしないか?って事だ。最近、打ち合いしてねぇーだろう?どうだ?」




そう言われると確かに、政宗と打ち合いをしていないと幸村は思った。
戦場で見せるギラリとした獣のような目をする政宗を思い出して、幸村の中にある何かがゾワっと反応した。
血が沸騰したみたいに、熱くなるのが分かる。




「この幸村。勝負を挑まれて、逃げるような事はいたしません」

「OK、一勝負と行こうじゃねぇーか。だがな、幸村。一つ条件がある」

「条件とは?」

「普通に打ち合ったって、詰らねぇからな。そこでだ、gambleをしょうぜ?」

「?」

「掛け事って事だ。負けた奴が勝った奴の言う事を何でも聞く。ってのはどうだ?」

「何でもですか?」

「Yes.今日一日だけ何でもだ」




どうする?と言う表情の政宗に、幸村の出した答えは聞くまでもない。
二人は竹刀を手に取り、中庭へと歩き出した。







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