12/11の日記

23:32
表と影
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毎日毎日同じことの繰り返し
ストレス発散なんて忘れた頃毎回見えてくるあの生き物達

「カラスだ」

少女は小さく囁いた
目線の先にはカラスなどいない
その時、自分は確信した
この少女は『影』の住人だと。

「貴女は?」

『表』の人達には見えない私達影の聞き物、夜型なんだけど人間の影を領して、死角を転々と移動する私達は見えない。
でも私の目の前にいる『表』の少女は、『影』の私が見える。
うれしい
たくさんお話しよ?
朝がくれるまで…




「鍵を見つけるの?」

『そうすれば、そっちの世界で会えるんだ、一緒にずっといよ?』

「ハグもキスも出来るの?」

『ぁあ、だから探して、この鍵穴に通る鍵を、人々を助けてから世界中から探すんだ…いいねアリス』

「わかった。ずっと一緒だよ?」




少女はいろんな国に行き
人々を助けた代わりに鍵の有りかについて聞いて回った。
私はアリスが来るのが待ち遠しかった
…ただ、時は悪戯をする
私がしていたのはこの『表・影』二つの世界を破壊する禁忌だ。
ましてや
同じ性別
どう足掻いてもその鍵は開かないんだ

首めがけて落ちてくる重い鉄のかたまりが擦れる音に対して、初めて神を恨んだ。





――…最後にもう一度貴女に会いたいな…





「ねぇ…まれださん、返事をして?鍵を見付けたの、貴女に会えるのよ!」


いつものように小さなため池に話しかける。今日はいつもと違う、まれださんが来ないの
どんなに呼び掛けても返事がない
おかしいわ?
私は、貴女が話しかけてくれて嬉しかったのに、もういないの?
この真っ白な塀の向こうには正常な人達が暮らしてる。

――…正常な人達?






『あぁ、可哀想なアリスよ…早く名前の意味に気付いて…』

『"Malade" mental 精神病患者って意味なんだよ』

『貴女が見ていたのは幻覚なんだ!さぁお薬を飲んで、現実へと戻っておいで?』

「…シスター、確かに居たのです。約束をした方がこの向こう側に居たのです!」

『なんて可哀想な子なんだ…さぁ、今日は私達が一緒に寝るから安心して眠りなさい』

「…はい」





でも
確かに居たんだ
昔飼っていた仔猫にそっくりな女の子が、私を励ましてくれてたの。
















…おわり…
ミステリーな作品になりました
ちょっと眠たいのに書いてしまったので、分からなかったら聞いてください(笑)←

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