∞手塚長編U∞

□1話
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俺は…俺たちは…どうしたんだ?





+Dragon storY+



俺たち青学レギュラー陣は、夏休みの数日間、練習の合間を縫って、船に乗って旅行をするという計画を立て、実行した。

俺たちが出発した初日、急に天候が荒れ、俺たちの乗っていた小型船は転覆、俺たちは海原に投げ出された。


(怪我は…していなさそうだな。体も動く、俺は手塚国光。青春学園中等部3年1組。大丈夫だ、記憶も正常…)

重い体を起こすと、周りに仲間たちの姿を確認する。どうやら俺たちは辛うじて、皆同じ海岸にたどり着いたようだ。不幸中の幸いとはこのことなんだろう。

「おい、皆起きろ。」
目を覚ましたのは俺が一番最初だったようだ。一人一人の体を揺すり、名前を呼んで目を覚まさせる。

大「手塚…?ここは…」
手「どうやら、俺らはどこかに流されたようだ。ここが何処なのかは分からない」
乾「さしずめ、無人島というところかな」
桃「まじっすかぁ!?」
越「桃先輩うるさいっす…」

無事全員、意識が戻ったところで、視界を広げる限り、船の姿を見つけることはできなかった。

菊「俺たちどうなっちゃうにゃ〜!?」
不「とりあえず、この島を探索してみようか?」
海「探索…っすか」
河「ここ、日本でいいんだよな…?」


それさえも、今の俺たちには不確かで、誰も返答はしなかった。

手「たしかに、ここで突っ立っていても仕方がない。3人ずつの3チームに分かれて何か手がかりがないか、探すことにする。いいな?」

部活中のような大きな返事は、誰もしなかった。
皆それぞれ、不安を抱えているのだろう。無理もない、俺たちが東京に戻れる確証など、今は何処にもないのだから…


乾、桃城、越前
大石、菊丸、河村
不二、海堂、俺の3チームに分かれ、俺たちが今いる海岸から右、左、直線のルートで、反対側に出られるか探し回ることになった。


手「日が暮れるまでに他のチームに出会えなかったら、この海岸に戻って来い。決して独りにはなるな、いいか」

また、9人全員が出会えることを、願うしかできなかった。
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