鹿さんの森(中編)
□ずっと...
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男「会いたかった…。」
女「……うん。」
目の前にある大きな液晶画面の横にホームシアター様のスピーカーを置いて
そこから漏れる男女の声。
今、俺達は薄暗い居間のソファーに腰かけて、
テレビの光だけで自分のいる空間を照らしてる。
ユチョンに、凄く感動する映画があるんだ!と薦められて
二人でDVD鑑賞をすることになったのがきっかけ。
ゆっくり出来るの、久しぶりなんだよな…。
最近、俺はドラマの撮影が一日中入ってて、
宿舎に帰っても寝るだけ…。
そんな日にちが結構続いたから、
今のある時間はとても心地よく感じた。
そんな事を考えながらテレビ画面をじっと見つめ、
とある映画の1シーンに差し掛かると、
隣からは鼻をすする音が聞こえた。
場面は、愛おしい相手を
頭の上から覆い被さって、強く抱き締めるシーン。
久しぶりの再会…。
よくありそうな恋愛ストーリー。
涙を流しながらお互いの存在を確かめ合ってる。
ユチョン……、感動して泣いてるな〜?
ユノは彼がどんな顔をしているか気になって、
目だけ横に流して、バレない様に見た。