鹿さんの森(中編)

□ずっと...
1ページ/6ページ



男「会いたかった…。」


女「……うん。」



目の前にある大きな液晶画面の横にホームシアター様のスピーカーを置いて


そこから漏れる男女の声。



今、俺達は薄暗い居間のソファーに腰かけて、

テレビの光だけで自分のいる空間を照らしてる。



ユチョンに、凄く感動する映画があるんだ!と薦められて

二人でDVD鑑賞をすることになったのがきっかけ。



ゆっくり出来るの、久しぶりなんだよな…。




最近、俺はドラマの撮影が一日中入ってて、

宿舎に帰っても寝るだけ…。



そんな日にちが結構続いたから、

今のある時間はとても心地よく感じた。


そんな事を考えながらテレビ画面をじっと見つめ、


とある映画の1シーンに差し掛かると、

隣からは鼻をすする音が聞こえた。




場面は、愛おしい相手を

頭の上から覆い被さって、強く抱き締めるシーン。


久しぶりの再会…。



よくありそうな恋愛ストーリー。


涙を流しながらお互いの存在を確かめ合ってる。






ユチョン……、感動して泣いてるな〜?



ユノは彼がどんな顔をしているか気になって、

目だけ横に流して、バレない様に見た。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ