*book*
□sentimentalC
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美鶴が神社に着くと、既に亘はそこにいた。
彼に気付くと亘はベンチから立ち上がった。
「早かったね…」
美鶴は少し息が荒かった。
おそらく走ってきたのだろう。
彼は息を整えると亘を見た。
「亘…俺も話が…」
「僕応援するから…」
亘は静かに呟いた。
「いいんだ、まさか美鶴と香織さんが“付き合ってた”なんて知らなかったから少し驚いただけ。もっと早く教えてくれれば良かったのに…」
「亘、それは…」
違う…
あれは違うんだ…
「でも、きっと照れ臭かったんだよね!僕だって彼女が出来たら、なかなか言い出せないと思うし…ごめん、美鶴」
「亘、あのな…」
「あ、何かあったらすぐに相談してね。だって僕達“友達”じゃん」
トモダチ…
心臓に何かが突き刺さったような気がした。