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クリスマスベゴニア
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ふらりと現れてはふらりと消えて行く。
僕はそんな奴を好きになった。






「よっ、半兵衛!」

慶次君は僕を見ると片手を上げて嬉しそうに近寄って来た。

「慶次君…いい加減此処に来るのを止めたまえと言ったはずだよ」

もう来ないでほしかった。
何時も何処でもそうやって笑顔を振りまいて。
誰でも同じように接する。
そんな慶次君が憎らしかった。

「堅いこと言うなって!それに久々に半兵衛に会いたくなってさ」

僕は自分の手をぎゅっと握り締めた。
そんな台詞をさらりと言わないでほしい。
だから慶次君は嫌いなんだ。
そして、そんな慶次君に期待してしまいそうになる僕自身も嫌いだ。





「…僕は君なんかに会いたくなかったよ」

僕は絞り出すように声を発した。
これは僕の本音であって本音じゃない。
僕の気持ちは一生慶次君に届くことはないのだろう。






例え届いたとしても君はいつの間にか僕の目の前から居なくなってしまうのだから。












片思い

(できることなら何時までも僕の隣で…)

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