闇に歌えば ■その後の二人■
克也×誠志郎
------------------------
「…ちょっと!克也っ。やめよう…こんなの、ヤダ…ッ」
「…なんでだよ。気持ちいいんだろ?」
「でも…は、恥ずかしい…」
ここはヤミブンの本拠地。
あたりはすっかり暗くなり、街灯がともり始めていた。
その上、今日はほとんどの人が出張で、二人しかここにはいない。
こんな絶好のチャンスを、克也が逃す訳がなく、誠志郎にちょっかいをかけ、今に至るのだ。
しかし、克也と違ってそういうことに慣れていない誠志郎は、その行為を拒みがちである。
克也がため息をつき、誠志郎と目を合わせる。
「あのな、俺だっていつもぎりぎりで抑えてたんだぞ?…今日は思いっきりヤらせろ。」
「……っ///。や、やだっ。」
「もう遅い。」
「え…?ん……んうっ…」
客人用のソファに押し倒されて、唇を奪われる。舌を絡め取られ、いきが出来なくて苦しい。
「…〜っ!」
耐え切れず、克也の胸板に手をつき離れようとする。すると案外あっさり離れてしまった。
克也の顔を覗き込むと、ニヤリと笑っていた。何やら悪い事を考えているらしい。怖くなった誠志郎は克也に問い掛けた。
「…?ど、どうしたんだ?」
「今日ってバレンタインだったよな?」
「…それが?」
「…チョコ、俺にくれないのか?」
「…っ?!僕があげなきゃいけないのか?!!」
「当たり前だろ。…で、ないんだな?」
「……急に言われてあるわけ無いだろ」
「…よしっ!」
今日一番のニヤつきで誠志郎にこう言った。
「チョコがないならしかたない。だから、今日のHでは俺の意見に逆らわないってので、俺への誠意を見せてくれ」
「ー…はぁ?い、嫌に決まってんだろ!」
「そんな事言ってると、続きしてやらないぞ」
いやらしい手つきで誠志郎自身を撫でる。ぴくっと反応しているそこは、隠しようが無いほどまでに膨れていた。
こうなったら、克也に従わざるをえない。じゃないと『一人でしてみろ』とか言いかねないからだ。
「…ど、どうしたらいいんだ?」
「素直になったな。それじゃまず、自分で服を脱いで。」
「……。」
克也が身体を少しずらして、誠志郎の身体を起こした。
視線が身体の先から先まで捕らえている中、誠志郎は自分の服を上から脱いでいく。ソファから服が落ちる音が響くだけで、恥ずかしくてたまらなくなる。
「どうした?まだ全部脱いでないじゃないか。」
「だ…だって…。あっ!ヤダっ」
克也は服が少し乱れているだけなのに、自分だけ肌を見せている。それが恥ずかしくて、トランクスだけはどうしても脱げなかったのだが…。無駄な抵抗だったようだ。克也は誠志郎のトランクスに手をかけ、下に落としたのだ。それによって誠志郎の中心が引っかかり、さらに大きくなる。
「ほら。こっちにおいで。」
「あ…。はぁ……あ、あぁっ!」
「まだ何にもしてないのに元気だな。ここは。」
誠志郎のそこはすでに反応し始め、ほんの少しの刺激にも身体を震わせていた。
「あ…っ!やめ……んっ!」
「やめてほしいなんて、身体は言ってないみたいだぞ。蜜がでてきて…ここは素直で可愛いぞ。」
「そんな…こと…、ないっ…あっ!」
「素直じゃないな…」
そこで克也は何を思ったのか、ネクタイをはずし、誠志郎の大事な部分に巻きつけた。
突然の事で、何をされたか理解できなかった誠志郎は抵抗出来なかった。高ぶりはもう限界に達している。
「い…いやだ!克也はずせよ、馬鹿!」
「誰かさんが素直じゃないから。仕方なくだ」
どこがだ。顔がニヤついてるじゃないか。…そう言ってやりたいのに、苦しくてそれどころではない。
自分ではずそうにも、触るだけでも刺激になってしまい、余計にキツクなってしまう。
「また大きくなったな。自分でキツク絞めてどうするんだ」
「うぁ……あんんっ!やぁ…は、はずせって…ば…。」
「だから、言うとおりにしてればいいのにな」
「…っつ!」
悔しくてにらみ返すが、余裕の笑みは克也から消えない。むしろ楽しんでいるようだ。
「言うとおりにするか?誠志郎…」
「…ど、どうすれば…?」
「そうだな…んじゃ、まずは…」
「え?…わぁっ!な…いきなりなんだよ!!」
身体の向きを反転させられ、さらにソファの上に倒される。尻を突き出し、普段誰にも見せない部分が克也の目の前にさらされる。
「…自分でここ、広げて見せて。ローションならあるから」
「……!!いやだ…っ!そんなの、無理っ!」
「やんないならこのままで。俺は帰るからな」
「ひ…ひどっ!」
こんなこと絶対にやりたくない。でも、やらなかったら本当に有田は帰ってしまいかねない。この男ならそれくらいやってしまうだろう。
誠志郎は腹をくくって後ろに手をのばした。
手が震える。
「そう。いい子だ」
「…っつ!はぁ……あぁ…」
自分でこんなことをするのは初めてだ。
まずは一本、指を体内に沈める。
前はせき止められてるし、ぬれていなくてすごく苦しい。
それを見ていた有田が、ローションの蓋をあける音がした。
「…ほら、これで楽になるだろ?」
「んんっ…!」
冷たくぬめったものがほぐしている箇所に落ちてくる。でも、ぬめりのお陰で先ほどよりも苦しくはない。二本目の指もすんなり入ったし、徐々にほぐれていっている。
「少し中が見えてきたな。いやらしい動きしてる…。」
「うぁ…っ!あ…ん。も……やぁ!」
「なんだ?足りないのか?」
ぬめった音が響く。
有田は誠志郎の内腿に指先を当てた。
「うぁっ!…あぁぁっ!!」
なぜか身体はどんどん敏感になっていく。中がどうしてもジンジンと痺れているようなのだ。どうしてか誠志郎には分からない。
「いつもより敏感だな。…ヒクついてるのが丸見えだ。」
「いや…っ!もう…イヤ…だぁ」
「もうか?早いぞ。」
「ひぁ…!…お、お願い…っ!も…いっやぁ…」
「…こっちにおいで。誠志郎」
半ば抱きかかえられるようにして、誠志郎は克也の欲望の上に移動させられる。
「ー……っ!ああぁぁっ!克也ぁっ」
「…っ。締め付けて離さないな。そんなにいいのか?」
「い…いぃ!…あ!んぁあ…ん……あぁ」
誠志郎はもう意識が朦朧としすぎて、自分がなにを言っているのかわからなくなっている。
「…可愛すぎだ。」
深いところを突いてやりながら、誠志郎に巻きついたネクタイをはずしてやる。
「か……克…也!…克也っ!」
「…俺のものだ。誠志郎…」
一気に突かれ、二人の欲望がはじける。
そこで誠志郎は理性を手放した。
――次の日。
誠志郎は克也の部屋にいた。あの後、電車にのる気力も起きず、克也にされるがままに車に乗せられ、家に連れてこられたらまたベッドでもしてしまい…。
今は二人でベッドの中だ。
誠志郎は克也に抱きしめられている。頼もしくて安心できる腕に身をゆだねていると、克也がふと、そういえば…と切り出した。
「昨日自分でも驚くほど積極的だと思わなったか?」
「…うっ。お、思った。」
「ムズムズしてしょうがなかっただろ」
「……さっきからなんだよ。」
「実は、昨日使ったローションって媚薬入りだったんだ。まぁあんまり強くないやつにしてみたんだが…良かったみたいだな。」
「……っ!??///なっ、なにそれ!!」
「誠志郎も慣れてきたみたいだったしな。最高のバレンタインだったかもなぁ…」
「こっの………エロジジぃ―――っ!!」
顔を真っ赤にして怒る誠志郎に、笑ってみせる克也。
誠志郎は頬を赤らめてそっぽを向く。がすぐに笑い出した。
つられて克也も笑い出す。
これからも、二人で……一緒に…。
---------‐--------------
はいっ。時期はずれ!!すいませんでしたー。
一度はやりたかった二人のHですが…。どうでしたか?
次も(?)頑張ります。
2010/07/4