克也×誠志郎 (Ver.克也)


自分に集まってくる視線を、無視しながら歩いているのは、ヤミブンの有田克也だ。

今日は一人で出張だった。
坊やとなら楽しかったものの…。

などと考え、このまま帰る予定だったが…ふと思いついてヤミブンの本拠地に方向を変えた。

恋人に会いたくなったのだ。

今は5時五分前。まだ仕事場にいるはず。急いで階段を駆け上がり、扉を開けようとしたその時。

扉の向こうから、走ってくる足音が一つ。
克也は、にやりと笑うと扉から数歩離れて、そこへ来る人物を待った。

扉が開き、荒い息を整えている人物に声をかける。

「坊や。」

振り返ったのは、楠木誠志郎。現在はヤミブンでバイトをしている大学生で、兼、克也の恋人である。

誠志郎は頭の上に「?」を浮かべて、なんでココにいるんだ、と目で問い掛けてくる。
だが、そのくらい気づけ、と心の中で毒ついた克也は、わざと誠志郎が嫌がることを口にしてやる。


「いや、二人きりだし、誠志郎って呼んでもいいんだよな?」

カァッと誠志郎の顔が赤くなる。
そして、ボソボソと

「なんで来たんだよ…。」

と言った。

…わざわざきてやってるんだから、もっと別の事を言うべきだろう。
素直じゃない…。

克也は誠志郎の腕を引っ張り、自分の方へ向かせると、軽いキスを落とした。
そして、顔をもっとよく見るべく、顎に手をかける。

「…恋人の顔を見に来ちゃいけないのか?」

「…またそういうこと言うッ///」

照れているためか、先ほどよりも顔を真っ赤にする。

「…あおるなよ。襲うぞ…」

誠志郎は聞こえなかったようで、またしても疑問を顔にだす。

…キスまでしかしていない恋人は、本当に鈍感だ。

今にも襲ってしまいそうな、理性を沈め、克也は誠志郎の身体を強く抱きしめる。


全身を強張らせながらも、誠志郎の小さな手がその大きな背中にまわされた。

誠志郎の耳元で、低く響くようにささやく。

「好きだ…。」

今、襲ってしまいたいくらいに。

「…僕もだよ。」



……誠志郎。
お前はまだ、知らなすぎるんだ。

自分が俺を、どれだけあおっているかって事を。

俺がどれだけ、お前を思っているか、という事を。



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もっとエロくしたかったなぁ。笑

でも、克也さんにはもっと頑張ってもらわないとね☆
まだまだ、これからなんだから…。

また書くので、よろしければご覧ください。


2009/8/23

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