SS×短編
□雪だるま
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朝、
いつものようにいるはずの君は
もう先に起き出していた。
僕も仕方なしにパジャマの上から
パーカーをかぶって窓の側まで歩いって行った。
案の定、君は雪と一緒に舞っていた。
「ヨンセンくんっ!積もったよ。」
窓越しに笑顔でそういうと
君はまたかけていった。
再び僕のところまで戻ってくると・・・
その手には小さい雪だるまが乗っていた。
「ヨンセンくんだよっ。」
黒眼鏡をかけた雪だるま。
「それ、僕の・・・?」
「うん♪」
行方不明だった僕の眼鏡はそこにあったのか・・・。
素手の僕にそれを渡すと
さっと取り出したもう一つの雪だるま。
「これがあたし。」
ちっちゃい木の枝を
自分の上げてる前髪に見立てて刺していた。
僕の手から雪だるまを取り上げると
窓際に二つを寄り添わせて置いた。
「ずっと、こんな風にいるようにって。」
部屋に置いたら、溶けちゃうって思ったけど・・・
そうは言わなかった。
迷いなく
僕と
未来を
真直ぐに信じ続ける君が愛しくて。
やんだはずの雪がまた空から舞い始めると
僕らは暖かいミルクを片手に
雪だるまの様に寄り添い
飽きずに外を眺めていた。
*END*
⇒後記