SS×短編
□雪だるま
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「ヨンセンくん!雪が降ってるよっ!」
雪くらい珍しくないのに
僕と一緒にいるときよりも彼女は顔を輝かせた。
「雪だるま作ろう?」
「まだ積もってないよ。」
手袋をして
君はまだ降り始めたばかりの
粉雪の中にかけていった。
「冷たい・・・。」
空を仰ぐ君の頬に
雪のカケラが落ちて溶ける。
「風邪引いちゃうよ?」
「だいじょうぶっ。」
窓を開けて少し身体を外気にさらすだけで
身体を寒気が走るよう。
寒いはずなのに彼女は楽しそうに
小さい手のひらを一生懸命広げて
雪を待った。
「・・・すぐ溶けちゃう・・・。」
しばらくそうして戯れると
諦めたのか僕の元へ帰って来た。
「明日になったら積もるかな?」
「だといいね。」
そわそわしつつも子供じゃないんだからと
ベッドに入るとすぐに眠り込んだ。