SS×短編

雪だるま
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「ヨンセンくん!雪が降ってるよっ!」










雪くらい珍しくないのに


僕と一緒にいるときよりも彼女は顔を輝かせた。






「雪だるま作ろう?」


「まだ積もってないよ。」






手袋をして


君はまだ降り始めたばかりの


粉雪の中にかけていった。





「冷たい・・・。」





空を仰ぐ君の頬に


雪のカケラが落ちて溶ける。





「風邪引いちゃうよ?」


「だいじょうぶっ。」





窓を開けて少し身体を外気にさらすだけで


身体を寒気が走るよう。








寒いはずなのに彼女は楽しそうに


小さい手のひらを一生懸命広げて


雪を待った。






「・・・すぐ溶けちゃう・・・。」






しばらくそうして戯れると


諦めたのか僕の元へ帰って来た。






「明日になったら積もるかな?」


「だといいね。」






そわそわしつつも子供じゃないんだからと


ベッドに入るとすぐに眠り込んだ。









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