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□刻むビートが体を巡る
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「げ、かわいい」




ぽかぽかと天気のいい日曜日。

最近我が家に住み着いた猫と一緒になって庭で日向ぼっこをしていたら、道路から頭をひょっこり覗かせた幼馴染がそう言った。




近所に住む彼にどうしたのと聞けば、コンビニに行ってきた帰りだと笑った。

もう、いちいちかっこいいんだから。




「なにまた増えたの?」

「ううん」




野良だと思う、と真っ白でふわふわな毛を優しく撫でた。

ごろごろと喉から気持ちがいいという声がする。

また、というのは我が家には既に3匹の猫がいるからで。

野良なのか飼い猫なのかわからないのは、その真っ白な毛がすごく綺麗だから。

放し飼いされている飼い猫なのかもしれない。

だけど一日の大半を我が家で過ごすこの子の場合、どういうことだろうか。

まあわたし的には野良でも飼い猫でも、それはどちらでもいいことなんだけど。




「お前、どこの子なんだ?」




かわいいなあ、とわたしの隣にしゃがみこんでその綺麗な毛並みを撫でる彼に、かわいいのはお前だなんて言えるはずもなく。

そんな彼に彼女であろうその子も、しゃがみ込む彼の膝に首筋を擦り付けた。

あ、自分のものだって言ってる。




思いがけないライバルに少しでもヤキモチを焼くわたしはどうなのか。

猫なのに、そう思うのに、いとも簡単に懐く彼女が羨ましいだなんて。




一頻り彼に自分の匂いを付け終わった彼女は、のんびりとした足取りでわたしの方へと歩いてきて膝にのった。

もしかして彼女じゃなく彼?なんて再び喉元を撫でてやれば、どんどん縮まるその子との距離。




「待った」




ふわふわなその顔に頬をくっつけようとした直後にそんな制止する声が聞こえて。

思わずその動作を止めて顔を上げると、なんとも不満そうな彼の顔が目の前にあった。




「それ以上は駄目、近すぎ」





刻むビートが体を巡る
(そいつ絶対オスだもん)(…そうかな)




ちょくちょく名前変換ないものつくるなあ。
申し訳ない!

気に入って頂けたらclap
お題配布元:露草の雫を飲み干して
11/03/18 千春


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