■ Book
□Bitter Kiss(ヒソクラ+ちょいレオクラ)
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「珍しいね、キミがお菓子屋さんに用があるなんて。」
ヒソカはいつもの奇抜な格好ではなく、髪を降ろしてメイクもしていなかった。
服装も至って普通の青年だ。
「おまえこそ、こんなところで何をしているんだ?」
「別に、散歩だよ。」
「そう・・・か。」
「なんかキミ顔が赤いけど。
誰かとキスでもしたの?」
図星。なぜわかるのだ。
私は動揺を隠せなかった。
「なんでわかるのって顔してるねぇ。
勘だよ、勘。
嘘つきは嘘を見抜くのも人の心を見抜くのも上手いのさ。」
ヒソカは自分の頭を指差しながら言った。
「・・・私には恋など必要ない。」
私は俯いて話した。
「どうして?楽しいよ恋愛って。」
「・・・私は恋をしてはいけないんだ。相手までも私の復讐の不幸に巻き込んでしまうから。」
「それ自分で決めたの」
私は黙って頷く。
「なのにキスしちゃったんだ。」
「したのではない。されたんだ!」
私は顔をあげて主張した。
「同じことだよ、意地っ張りだねぇ。」
私はまた俯く。
「・・・ヒソカ。」
「なに?」
「キスって・・・甘いもの、なのか?」