■ Book
□空の君と隣の君へ(メイン4人)
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目を閉じれば、悲しいことよりも楽しいことが浮かぶ。
「私はもう、1人ではないよ。」
星の輝く夜空に向かって呟いた。
楽しい時間を共に過ごしたした友人達、厳しくもたくさんのことを教えてくれた父親、大切な兄弟達、優しかった母親。
みんな空にいるから。
「大切な人達ができた。私のことを仲間と呼んでくれて、私のことを助けてくれる。
陽のあるほうへと連れていってくれる。
失うのが怖いから、もう仲間なんていらないと思っていたのに・・・」
今だって怖い。
だけど、暖かい。
暖かいから怖い。
「今の私には、怒りと憎しみに勝つ喜びや幸せがあるよ。」
ふいに涙が零れた。
それがどんな涙なのか、私にもわからなかった。