■ Book
□猫と雪(リコ様リク・甘クロクラ♀)
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図書館。
本好きな2人にとって、それはとても心惹かれる場所である。
2人の外出デートはたいてい図書館になってしまうのだが、それはそれでお互いに満足していた。
今日もまた図書館に来た。
本当は2人で遠いところまで出かけようと思っていたのだが、大雪のせいでその予定が崩れてしまったのだ。
クラピカとクロロは、向き合いながら本を読んでいた。
「・・・雪ってすごく汚いんだな」
クラピカがぼそっと話す。
「なに?クラピカなんの本読んでんの?」
「今日は大雪だし、ついでに雪について知りたくなったのでな。」
そういいながら「冬の自然観察」と書かれた表紙を見せる。
「へー、小学生が自由研究に使いそうな本だね。」
「うるしゃい!この本はシリーズものなんだぞ。秋の観察も、春の観察も、夏の観察もあるんだぞ!」
「・・・いまクラピカ噛んだでしょ。"うるしゃい"って言ったでしょ」
「・・・だまれ。」
クラピカは照れて本で顔を隠す。
「クラピカって猫みたいだよね。俺、猫大好きなんだ。」
それはつまり、遠回しにクラピカのことが大好きと言っているようなもので、またクラピカは照れてしまった。
「・・・クロロこそ猫みたいだ。おまえは黒猫だな。名前はクロちゃん。うん、ピッタリだ。」
「なにそれ、なんかお笑い芸人みたいで嫌な名前だな」
「ところでクロロは何の本を読んでるんだ?」