■ Book
□相部屋(レオクラ♀)
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軍艦島。
宝探しを終えてやっと手に入れた客室と休息の時間。
ハンゾーとの交換でクラピカの相部屋はレオリオになった。
シャワー室からは、レオリオの鼻唄と水の音が聞こえてくる。
クラピカは夕方のうちにシャワーを済ませてあったので、もう寝ようかとベッドの中にいるところだった。
「レオリオと相部屋か・・・」
安心なような不安なような気持ちだった。
「まさかあんなことやこんなことにはならないよな。いや、しかし奴は年中発情期のスケベ野郎だし・・・って、なにを考えてるんだ私は!
よりによってレオリオなんかと・・・気色悪い!!」
一人で騒いでいると、レオリオがシャワーを終えてでてきた。
「ふぅーさっぱりしたぜぇ」
クラピカはレオリオの姿を見て驚愕した。
全裸のレオリオがそこに立っていたのだ。
「なっ・・・!!!!うわあああ寄るなこのド変態があああああ!!」
ガツーン
と、クラピカの拳がレオリオの頬にヒットした。
軍艦島にレオリオの叫び声が響いた。
レオリオはクラピカがそこまで嫌がるとは思ってもなかったので、ただ驚いていた。
「いってえええ!なにすんだよ!別にいいだろ裸ぐらい!」
「裸ぐらいだと?!ふざけるな!何をするつもりなんだこのスケベ!!」
「はぁ?なんもしねぇよ!!」
「もういい、私は寝る!朝まで絶対に私に話し掛けるんじゃないぞ!」
「・・・はぁ?」
自分が裸を見せたことによってクラピカが激怒し、そのままふて寝してしまった。
レオリオにはあまり理解できなかった。
よくわからないが、あの真面目なクラピカのことだから、そういうことには潔癖なのだろうと思った。
しかたないので下着だけ履いて、レオリオも寝ることにした。
電気を消したとき、クラピカが一瞬こちらを見たのだが、レオリオが全裸でないことを確認すると安心したように元の体勢に戻った。
「なんなんだよあいつ・・・ったくよ、裸ぐらい男同士なんだから良いじゃねぇか。勘違いしてるおまえのほうが危ないっつーの。終いにゃ本当に襲うぞ。」
レオリオはぶつぶつと独り言を言いながらベッドに潜り込んだ。
そのとき、
ガバッ
と、クラピカの跳ね起きる音が聞こえた。
「・・・・・・レオリオ」
「・・・・・・・・・」
「レオリオ!!」
「なんだよ。話し掛けるなって言ったのはそっちだろ?!」
「おまえ今、"男同士なんだから"と言ったな?」
「だからなんだよ。あーあ、おまえが女の子だったらこんなチャンスなかなか無いから、もしかしたら襲っちゃってたかもなー」
嫌味な口調でレオリオが言う。