■ Book
□空の君と隣の君へ(メイン4人)
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夜風が気持ち良い。
満月の夜、私は1人で星を見に来ていた。
なんてかっこつけた行動だろうと思ったが、どうしてもそうしたい気分だった。
街の外れにある河原の、冷たい草の上に腰掛けた。
ここからは星がよく見える。
視界に邪魔な建物が入らない。
目を閉じると、涼しげな水の音がする。
思い出す。
幻影旅団に全てを奪われたあの日以来、1人で過ごす日々が続いて、
ルクソ地方の小さな森で、身を隠すように寝ていたこと。
目を閉じるたびに旅団への憎しみと怒りが込み上げて来たこと。
だけど今は、仲間がいる。