Short Story
□バスケのプリンセス
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高校に入ったらしたい事がたくさんあった
部活動に励むのもよし
バイトをするのもよし
原チャリの免許を取ったらケツに彼女を乗っけて湘南の海をドライブ(※二人乗りはいけません)
弟とセットに見られるのは
もう、お終い。そう 思っていた
「それなのに……ッ!」
「?」
「なーんでテメェも湘北を受けてんだよ!ど畜生が!!」
隣で眠そうにぼけている弟の楓の胸ぐらをなまえが掴んだ。ご丁寧に歩きの自分と歩幅を合わせる弟のブラコンレベルにイライラしながら手を離し、ポケットに突っ込んだ
「なんで陵南とか海南に行かねえんだよ。俺についてくんな!」
「なまえが行くなら俺も行った」
「この、どちくしょうが」
チッと舌打ちをかましても楓は動じずなまえをじっと足のつま先から頭のてっぺんまで見つめる
「金髪、似合わん」
「うるせー、ほっとけ」
「なまえは黒のが似合う」
「ええーい、気持ち悪いな!
俺に近寄るな、構うな。離れろ」
「兄弟だから干渉するのは当然
それに、なまえは昔から危なっかしいから目が離せねー」
「あ??」
「小学生の頃、ムキムキのおっさんに女の子と間違われて誘拐されかけたし、中学の時には電車で痴漢に合うし」
「それを言うんじゃねー!
テメェ、この事を他言したらぶっ殺すからな!」
楓の胸ぐらを掴み、ブンブンと首がもげるかの勢いで譲った。小さい頃から産まれつき女顔のせいで危ない目に合ってきた
187cmの楓とは違い177cmの自分は背はそこそこ高い方だが見た目からしてよく間違われてしまう
「ねぇ、あそこの2人かっこいいよね」
「あんた、知らないの?!流川兄弟だよ」
「流川兄弟?」
「そう!兄弟ってか双子だけど
あの黒髪でかっこいいのが弟の流川楓
そんで、もう1人の金髪で可憐な美女顔がお兄さんの流川なまえ」
「だれが美女顔だゴルァ!」
こちらを見ながら顔赤らめヒソヒソと話す女子生徒と詰め寄り、なまえは思いきり眉をひそめた
「俺は男だ!お、と、こ!
間違っても美女なんて言うんじゃねぇ…!」
「「…………」」
「ほっとけ、なまえ」
「だーっ、引っ張んな!」
楓にズルズルと引っ張られていくなまえを見て女子生徒たちは再び顔を真っ赤にした
「か、かっこ可愛い!!」
「美人でオラオラ系なんて萌えるわ!」
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