Short Story
□キミがいて
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「でも、久しぶりね?何年ぶりかしら」
「3年くらい?」
景織子は、お盆に人数分のケーキと紅茶やジュースを乗せて、リビングにやって来た。千歳は豪華なリビングを見て目をキラキラさせていた
「何よそんな見渡して」
「いやぁ〜…豪華だなって思って…きょーこちゃん昔から豪華なモノ好きだったからね」
紅茶を飲みながら千歳はニコニコと笑う。真夏だが景織子はエアコンを付けずにいた。庭になまえがいるのだ
庭には、ミニバスケット用の高さのゴールがあり、それで練習をするのがなまえの日課だった
「フェイクを入れて、シュートッ!」
なまえが投げたボールはズパンっと音をたてながらゴールに入っていく
「…………」
そんななまえを、楓はケーキを口を入れながら見ていた。ボールを必死に追いかけるなまえを犬のように思った
「なまえちゃんってバスケが好きなのね」