SLAM DUNK
□Pt.03
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Part#03〜2人のキョリ〜
「おはよ、涼」
「あ、おはよー」
目の前を歩いていた涼の肩を叩くと彼女は振り返り笑顔を向けた。外は寒く、心は首に巻いたマフラーをひっぱり口元を隠した
「あのさ、涼…」
「ん〜?」
「…あたしが、また…バスケしたら…怒る?」
「…心?」
眉を顰め、涼は心を見た
2人は幼稚園の頃から一緒であり小学校時代は一緒にミニバスのチームに入っていた事もある。心がバスケを辞めると涼も『1人じゃつまらない』と言って彼女も辞めてしまったのだ
「…涼もバスケ、好きだったでしょ?…それなのに…辞めちゃったし…」
「…まーだ気にしてんの?」
「いたっ…!?」
涼は少しムッとした表情を浮かべると心の頬を思い切り引っ張り、つねる
「前にも言ったけど、1人じゃつまんないの!…あたしについて来られるのは心だけなんだもん……
心、あんたのせいじゃない。これはあたしの勝手なお節介…心が気に病むことじゃないんだよ」
「…でも、」
「後悔してないよ、あたし
それに…バスケットは今も好きだから」
「涼……」
笑顔を見せる涼に心も自然と笑みが浮かぶが、生徒たちのざわめきに2人は何事かと辺りを見渡す。その原因はすぐにわかった
フラフラしながら校門をくぐり抜ける自転車。乗っているのは流川だ
当の本人は夢の中のようでこっくりこっくりと頭を上下に動かしながら自転車を漕いでいた
「る、流川?!」
「は?心、知り合い?」
「あ、うん、ちょっと……!」
「危ない!」
フラフラしながら自転車は心目掛けて突っ込んでくる。涼は咄嗟に手にしていたかばんを流川の顔面に投げつけた
その衝撃で流川は自転車ごとひっくり返り、彼に想いを寄せているであろう女子生徒たちからは悲鳴の声が上がった
「涼、やりすぎ!…流川、大丈夫?!」
「…いて….……安養…?」
「ふふっ…起きた?」
怪我は無いみたいだった
流川は頭をボリボリとかきながら目の前にいる心を見て首を傾げていた
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