FF5,6【短編】
□12年後のみんな
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「ブラックジャックが爆発した」
セッツァーの言葉に、酒場のメンバーは一時停止した。
「ブラックジャック……ああ、トランプの?トランプが爆発したのね?」
セリスが微妙にこわばった笑顔で尋ねたが、セッツァーの答えはNO(エヌオーじゃないよ)だった。
「じゃ、じゃあ、あれだ!医者の方の……」
ロックが先を続けなかったのは、一説によれば、作者が版権を恐れたからだとか、そうでないとか。
「飛空艇のブラックジャックだ」
セッツァーは溜め息をついた。
「跡形も無く、まさしく、『こっぱみじん』にな」
「セッツァーよ」
エドガーが口を開いた。
「修理には、どれくらいかかる?」
「修理ってか、ほぼ1から造り直しだからな……とりあえず、急げば小学1年生が高校を卒業するまでには――」
「12年かかるってか!!?」
マッシュが思わず叫び、口の中にあった唐揚げがティナの顔面に直撃した。
マッシュはトランスしたティナからアルテマを喰らい、瀕死に。
「12年って…どうなるのさ?」
リルムは周りの仲間達を見回してみた。
リルムの未来予想図(12年後のみんな)。
リルム
→ピッチピチのお姉さん
ガウ
→お兄さん
ロック
エドガー
マッシュ
セッツァー
→おっさん
ティナ
セリス
→おばさん
カイエン
→ジジイ
ストラゴス
→他界
「……ガウ、私達だけで頑張ろうね」
「…ガウガウ、おれ、頑張る!」
「「ちょっと待てやコラア!!!」」
8人の大人達から反論の声が上がった。
「男性陣はともかく、30歳はおばさんじゃないでしょ!」
セリスが言って、ティナが頷く。
ちなみに2人とも18歳ですね。
「待て!男性陣はともかくって酷いぞ!」
ロックが身を乗り出す。
「確かに、おっさんてのは否定できないけど…」
「お主らはまだよい!拙者などジジイでござる…」
カイエンがほろりと涙を流す。
でも、さらに酷い人が1人いますよね。
「ワシ、さりげなく他界しとるゾイ!リルム、どういう事じゃ!?」
「んー、そうなるかなぁ……って」
リルムの言葉は、ストラゴスの胸を深くえぐったらしく、彼は酒場の隅で膝を抱えて座り込んでしまった。
「やれやれ…」
ロックは窓の外を見た。
青い空を覆う巨大な影、魔大陸。
あそこには、倒すべき悪、ケフカとガストラがいる……。
(待ってろよ、ケフカ、ガストラ……。12年後まで……!)
ケフカ・ガストラ「待てるわけないだろが!!!」
《完》
【後書き】
最初はブラックジャックを修理するお話にする予定でした。
が、何かを間違えてしまったようです。