FF5,6【短編】
□日光浴
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バッツ達、光の戦士は言葉を失った。
次元の狭間の森にて、決して見たくはなかった光景に出くわしたのだ。
「あれ……エクスデスだよな……?」
バッツが恐る恐る、3人に尋ねた。
レナ、クルル、ファリスは頷く。
頷きたくはなかったが、そうするしかないようである。
エクスデスが……
倒すべき巨悪・エクスデスが……
日 光 浴 をしているなんて!!!
「ウフフフ……フフフ……」
「うわぁ…なんか、笑ってる……」
クルルは目を反らした。
エクスデス本人は、4人には全く気付いていないようで、次元の森に降り注ぐ日差しを全身で受け止めていた。
しかも本格的に、白い長椅子に仰向けに寝て……。
「日光浴……ってか、光合成じゃねえか……」
ファリスはあからさまに嫌そうな顔をしている。
「どうするよ?」
「今のうちに、殺っちゃう?」
レナは、序盤の海賊の砦での『乗せてもらえないかしら?』と同じようなノリで言った。
「いや……待て」
バッツが静かに口を開いた。
いつになく真剣な表情。
一体、何を思い付いたのか……。
3人はゴクリと唾を飲んだ。
「――面白いから、写メ撮って良いかな?」
脱力。
「何だよ、勿体ぶって、それ?」
「空気読めよな」
「バッツったら……全く……」
上の台詞はクルル→ファリス→レナの順番です。
「だって、こんな場面、一生に1度見れるかどうかだぜ!?それに、最後の戦いで生きて帰れるかもわからな――」
「縁起でも無い事を言うなァ!!!」
ベキャアっ!!!
ファリスの鉄拳が、バッツの顔面にめり込んだ。
「ウボァー!!!」
【バッツは ほしに かえった】
「む!?誰かいるのか!?」
と、エクスデスがむくっと上体を起こし、4人の方を見た。
「やばっ!!!」
4人は急いで隠れようとしたが、手遅れ。
もう、見付かってしまいました。
エクスデスと光の戦士達は、しばらくの間、見つめ合っていた。
何だか、気まずい沈黙が流れた。
4人が遠慮がちに軽く会釈すると、エクスデスも会釈を返した。
だが、やはり気まずい雰囲気は拭えなかった。
その時。
「ちょっと!いつまでそんな所で止まってんのよ!あたしの登場シーンまでは急いでよ!!!」
と、次元の森の番人・カロフィステリさんが乱入。
それを見たエクスデスは、顔を輝かせた(と思う)。
「おお!グッドタイミング!カロフィステリ、そいつらの始末を頼んだぞ!!!」
「任せといて!!!」
カロフィステリが親指を立てると、エクスデスは猛スピードでその場を去った。
光の戦士達は、エクスデスが去った方を眺め……、
バッツは呟いた。
「エクスデスも、気まずい雰囲気は苦手なんだな……」
《完》
【後書き】
久しぶりの更新!
なんかグダグダですいません。
このサイトでのエクスデス様は、アホです。