FF5,6【短編】

□木
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青い空。








白い雲。








覇王エクスデス。








「ん?」



物語は、バッツがタイクーン城下町の公園をぶらついている最中、ふと木を見上げた所から始まる。



エクスデス様が、その木の1本の枝に腰かけていたのでした。



「色々と突っ込みたいんだが……何してんだ?」

「ファファファ!よくぞ訊いてくれたな!!!」

そういえば、エクスデスは木である。

つまり、木の枝に木が座っているのである。

「……何だこの図は…」

「私は昨日の夕方、ズーに乗って飛んでいたのだ」

「はあ……」

「そしたらズーの奴、私を落としてしまってな…。落下した私は、この木に運良く引っ掛かったのだよ」

「…それで?」

「それで、現在に至る」








ちょっと待てや。

何で昨日の夕方に木に引っ掛かって、今日の昼までそこにおんねん。

バッツはそれを尋ねてみた。

嫌な予感を感じながら。


「ファファファ!何を隠そう、この木から降りられなくなったのだ!!!」



誇らしげに言うなよ。

バッツはそう言いたい気持ちで一杯だった。



「というわけでバッツよ」

「はい?」

「降りるのを手伝ってくれ」

「どうやって」

「どうやって、って……。ほら、はしごとか」



面倒だが、断ったら何をされるかわかったものではないので、バッツははしごを探し始めた。



探し初めて5分。



「公園の公衆トイレの宝箱に『伝説のはしご』が入っている」

という話を公園のベンチに座る老人から聞いて、バッツはトイレに行った。


すると、確かに宝箱があったのだ。


(とてつもなく嫌〜感じだな……)


しかし、勇気を振り絞って開けてみる事にした。



ぱかっ








【神竜・改が現れた!!!】








「ふはははは!!!よくぞやってきたな!!!『伝説のはしご』は渡さんぞ!!!」

【ギガフレア×4】








ずごごごごーん



「ウボァー!!!」



【バッツは ほしに かえった】



その頃のエクスデス。


「バッツめ、何をしておるのだ……ん?」

エクスデスは木の枝が妙な音を立てているのに気付いた。



みし、みし、みし……


バキッ!!!


ひゅるるる……


ズゴン!!!


「ウボァー!!!」


【エクスデスは ほしに かえった】


《完》

【後書き】
騒ぎの元凶は、いつだってエクスデス様です(笑)。
 

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