FF5,6【短編】

□ガストラ皇帝の憂鬱
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「ハッピーバースデー!!!ガストラ皇帝!!!」


ぱーん!!!


と、クラッカーの音が鳴り響いたガストラ帝国城の会食場。

そのテーブルの上には、やたらでかいケーキが乗っていた。


ガストラ皇帝は、魔導の力により世界最強の軍事力を誇る大国の王。


なのですが。








なぜか、誕生日パーティには彼を含めて4人しか出席しなかった。


「……寂しいですね」

がら〜んとした会食場の空いた椅子達を見るレオ将軍。

「どうやら皆さん、旅行に出かけてしまったらしいです」

と、ぎこちない口調で報告するセリス将軍。

「し、しゅごい偶然ですね…。み〜んな、同じ日に旅行だなんて…」

いつもは、どんな状況でも馬鹿笑いの魔導士ケフカも、笑顔が引きつっていた。


「……み、みんな、ワシの事、キライなんじゃああああ!!!」

ガストラ皇帝は泣き出してしまった。

「いえいえ、まさか、そんな事ありませんよ」

セリスが皇帝の肩に手を置いて慰める。

(ど、どうするでしゅか!こんな気まずい空気のままパーティするなんて、僕ちんゴメンでしゅよ!)

ケフカがレオに小声で訴える。

(う、うむ……)

レオは頷き、セリスの方に目をやった。

「そ、そういえばセリス将軍!」

「な、何ですかレオ将軍?」

「君は確か、このパーティで【FFものまね】をやるんじゃなかったかな?」

「えぇっ!?そんな事、言ってな……」

『空気を読んで下しゃい!』

と、ケフカの魔導の力によるテレパシーが脳内に届いた。

セリスは渋い表情で頷いた。

「そ、それでは、私、セリス将軍が、【FFものまね】をやらせて頂きます!」

「いいぞ、いいぞ〜!!!」

超プレッシャーの自分を置いといて観客に転じた2人にセリスは殺意を抱くも、さすがにこんな所で暴れるわけにはいかない。

2人は後で始末する(!)として、セリスは言った。

「では、最初のものまねは……」

とはいっても。

ネタなんて考えてない。

その時、再びケフカのテレパシーが。

『クラウド(FF7)!』

迷っている暇は無いので、ケフカの指示に従うしかない。

「き、……興味無いね」

『ゴルベーザ(FF4)!』

「いいですとも!」

『エクスデス(FF5)!』

「カメェェッー!!!」

『フリオニール(FF2)!』

「いいじゃないか! ただ だし!」

『カイン(FF4)!』

「おれは しょうきに もどった!」

『こうてい(FF2)!』

「ウボアー」








しーん。








沈黙。


そして、ガストラ皇帝は、まだ泣いている。


呆然とするセリスに、ケフカからテレパシーでのコメント。


『ヘタクソ!』








「お前がやらせたんだろがぁぁぁぁァァァァァァ!!!」








メ テ オ !!!








ち ゅ っ ど ー ん ! ! !








セリス将軍、渾身のメテオにより、ガストラ帝国城は崩壊。


その後、ガストラ皇帝は極度の人間不信に陥り、やる気を喪失。


ガストラ帝国が空中分解したのは、それから間もなくの事であった。


《FF6・完》








ロック「って、コラァ!!!」

マッシュ「これじゃあ、俺達の出番が無いじゃないか!!!」

エドガー「私の出番が無かったら、全世界のレディが悲しむぞ!!!」

マッシュ「それは無い無い」

エドガー「何だとっ!!!(バイオブラスト)」

マッシュ「弟に向かって毒を噴射するな!!!(オーラキャノン)」

ロック「…なんだかなぁ……」


《完》

【後書き】
セリスが壊れる話を書こうと思ったら、こんなのできました。
よりによって、ガストラ皇帝の誕生日パーティ!
ああ、金融詩人の脳内は、相当キてます。
 

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