儚き華 改正版

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…ん……?

ここは…病室か…?



うっすらと瞳をあけると、二人…三人、…五人?




「おい!起きたぜ!」


「え?本当?妃涙ちゃ〜ん♪」




妃涙…?


…その名で呼ぶのは…




「…まさか妃涙隊長がこんなに暴行を受けていたなんて…!!」


「とりあえず葵が治したんだしね?…姉ちゃん!」



…葵?

……妃涙、隊長…?





ガバッと起き上がる





『…潤!?瑞乃、蒼斗、葵、紫苑…?』




「何はともあれ、起きてよかったぜ」


「…妃涙隊長…ごめんなさい…傷のこと葵に聞かれて…言っちゃいました…」



『…そう』



「もう言い逃れはできないな。
…で?、誰にやられたんだ?」


ごめん、潤。



「葵がみればわかっちゃうよ…」


ごめん、蒼斗。



「…妃涙ちゃん!!」


ごめん、紫苑。



「詳しく話してよ…」


ごめん、葵。



「ごめんなさい…」


『…いいの瑞乃。私こそごめん…』



ベッドを少し起こして喋りやすい態勢にしてもらってから、重い口を開く。



『フゥ…みんな噂は聞いてるでしょ?』


「…うん。」


『…まぁ、簡潔に言えば…富永優里奈の逆怨み?
…フラれただの叩かれただの…ていう噂を聞きつけた、その取り巻き達にお呼び出しをくらってたかな。』


「…あんまり言いたくないけど暴力振るったのって副官らへん…だよね?」


控えめに葵が言う。
流石だ。やっぱりわかってしまうのか…



「なっ…まじかよ…」

「…ッッ」

「「お姉ちゃん…?」」


「誰…?妃涙ちゃんに暴力振るったのは…ねぇ…誰??」




紫苑が霊圧をあげる。





『哀唄の二・羅門架!


…ハァ、ハァ…病み上がりなんだから、…キツイんだけど…霊圧…!!』




キツイと言いながら零番隊の特別な縛道で結界をはる。



「ばか!紫苑!!霊圧を下げろ」


「!!…ごめんなさい!」


『いいんだけど…外に霊圧…漏れてないかな?』


「多分大丈夫です。一応、この病室にも元々結界を張ってあったので。」





「それより…あの場では何があったんだ?」









〜潤side〜



あの場では何があったんだ…?


妃涙が霊圧を乱すなんて…




「…まぁ…信じてた人に…裏切られた?かな…
信じてくれてると思ってたんだけど…」



『っ!?』



信じてた…人?



「信じてた人って…だぁれ?」



「……。」



「「どうして黙っちゃうの〜…?」」



「…もし言ったら、どうするの…?」



『それはまぁ…』

『「「「 殺る!! 」」」』




「…それは困るって…

だから───言えない。ごめんね?」



秘密、と言って人差し指を口元に当てて笑う妃涙。

そんなこといってるが…俺らだって薄々分かってるんだぜ…?





〜潤side(終)〜










零番隊を知ってる人以外で一番信頼していた。



───…幼馴染には勝てなかったか。

いや違う、あれは確かにどう見ても私が悪かったな。

実際に叩いてしまったのも事実だしな。



今度、雛森副隊長に謝りにいかないと。
叩いてしまってすみませんでした、って。









end

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