ちゃいるど!!
□意外性と私
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『あ、あの…?』
「何ね、この小さいの。」
「あ?団長の言ってたやつじゃねぇのか?」
『シャ、シャルさん…。』
「あはははー…、ごめんね…?」
謝るのは別に構わないが、目の前の2人をどうにかしてくれないか…。
本を読んでいればいきなり影が差して上を向けば、かなり睨んでくる黒ずくめの男とヤンキーみたいな顔したジャージ男。そしてその後ろには苦笑いのシャルさん。
ほら、周りの方がもの凄く怖がってるし、私をもの凄く同情した眼差しで見てくる。
「まさか団長、こんな奴を寄越したか。」
「あ?知らねえよ。」
「チッ…使えないね。」
「あぁ゛?」
『…………。』
何なんだ、私の目の前で今にもケンカをおっぱじめそうな雰囲気。私は全く関係ないと決め込んでいいのか。
そんな事を思っていると、シャルさんが話しかけてきた。
「団長…クロロは…?」
『それならさっきに飲み物を買いに行きました。たぶんそろそろ戻って来ると思います。』
「何やってるんだ。」
「あ、団長。」
振り返れば呆れた表情のクロロが居た。心中ご察しします。
私はクロロにお礼を言って、ココアを飲む。
「フェイタン、フィンクス、ここは公共の場だぞ。」
「そうだよー、こんな目立っちゃ意味ないでしょ。」
そういうとお互いチッと盛大に舌打ちして顔を背ける。
するとフェイタンと目が合う。
「この小さいの、これが団長の言てた奴か。」
「そうだ、ユナだ。ユナ、こっちがフェイタン、こっちのジャージがフィンクスだ。」
『あ、はい。ユナです。クロロ、さんにお世話になってます。よろしくお願いします。』
本を閉じて、ベンチから降りてペコリと頭を下げると、フィンクスさんが遅れて返事をしてきた。
「フン、礼儀正しいガキね。ワタシ、フェイタンよ。」
「俺はフィンクスだ。」
「本当にユナは礼儀正しいよねぇ。」
「たぶんお前達よりな。」
クロロの言葉に笑って誤魔化すシャルさんに、黙り込むフェイタンさんとフィンクスさん。
盗賊なんだから仕方ないんじゃないか…?
さて、というクロロは周りを一回見回す。
「ここじゃ人が多い。場所を移すぞ。」
『私は…。』
「着いて来るんだろう?」
微かに笑うクロロに私は笑顔で頷けば、シャルさんに撫でられて手を握られた。
疑問に思い見上げればニコリと笑ってくれる。
『…?』
「迷子予防だよ。ほら行こう?」
『はい!』
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