ちゃいるど!!
□所有者と私
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目が覚めたら、廃墟でも空でもない白い天井が広がっていた。
『え…なんで…』
そう、なんで生きてるのだ。私はあの廃墟で好青年の前で死んだはずじゃ…
「目を覚ましたか。」
『!!…なん…で…』
何で何で何で。何故あのこの好青年が居るのだ。そして何故私はベッドに寝てるのか。
すると好青年は優しく笑顔を貼り付けて近付いてくる。私が身体を固まらせれば好青年は苦笑いをしながら、コップを渡してきた。
「そんな緊張するな。喉乾いただろう?」
『あ、ありがとうございます…。』
飲めば身体が潤う気分になり、全部飲み干してしまった。
「毒の心配はしないのか?」
『ど、毒…。入れたんですか…?』
「いや、入れてない。ただ警戒心がないと思っただけだ。」
『え…あ、はぁ…?』
何が言いたいんだろう。まずこの状況がわからない私はこの好青年に聞かなければならない事がある。
『あの…なんで私はここに…。』
「あぁ、拾ってきた。」
『……ぅえ?』
拾ってきた、今この目の前に居る人物はそう言ったように聞こえたのだが。いや、確かに言った、拾ってきた、って。
「所有者も居ない、そして捨てられたなら拾うのは自由だろう?」
『……は、はぁ…。』
怒りを通り越して、何とも言えない気持ちだ。だが、拾われなければ私は死んでいた間違いなく。なら感謝すべきなのか?まず何故拾った?
『ありがとうございます…。でも私…何も出来ませんよ?』
「そんなの望んでない。」
『じゃあ何で…』
「興味深いのと面白いからだな。」
『お、おも…しろい…?』
そんなんで拾ってきたのか。私はそこらへんのオモチャか。いや、今の子供なら捨てられたオモチャより、新しいオモチャを欲しがるであろう。
じゃなくて、面白いって…
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