ちゃいるど!!

□違和感と私
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あの後久しぶりに会った3人に挨拶して、他愛ない会話をした。コルトピさんとはあれから能力がコントロール出来るようになったのかとか、ボノさんとは民族の音楽の話をしたり、フランクリンさんとはこの間もらった花が咲いた事を話したりなど。
するとウボォーさんの声が耳に入り、そちらへ視線を向けるのと同時くらいに携帯が鳴りだした。だれかと思って見たら…


『!?(何でヒソカから!?)』

「どうかしたのか?」


フランクリンさんが心配そうに聞いてきたので、ただのイタズラメールとだけ言っておいた。
まず何故ヒソカが私のメアドを知っているのか是非知りたいが、きっと本人に聞いても奇術師だからなどと言われるのがオチだ。渋々メールを見て、また固まる。驚きではなく困惑だ。

これはどういう意味なんだ。


「久しぶりだね、団長さん。」


聞き慣れない声に今更気付いてクロロの方を向けば、笑顔の青年が1人。シャルさんと同じようなイケメンの部類だ。私は自己紹介をしている青年を傍観していると、カチリと目があった。青年は少し驚いた表情をしたと思ったら、また笑顔になりこちらに近付いてくる。
(あ…もしかして…)


「ユナ、こいつがディーラだ。」

「君がユナちゃん…?こんにちは、俺はディーラ。そして久しぶり。」

『…ぇ…?』


しゃがんで同じ目線になった藍色の瞳に吸い込まれそうになる。最後の言葉は私にしか聞こえないくらいの声。久しぶりってどういう事だ。

−気を付けてね

『っ!!』

「ユナ…?」

−キミが知らないと思う奴と目を10秒合わせたら危険だよ

『すみ、ません…。ちょっと驚いてしまって…。』

−彼は君達にとって危ない存在だから


クロロのズボンをギュッと抱きしめながら言うと、困惑しながらも私を抱っこしてくれる彼に私は更にギュッと抱きしめる。
ヒソカのメールは彼の事だろう。信じるのは癪だが、私自身も嫌な感じがして無意識に拒否してしまった。


「すまないな。こいつも昨日の色々あってこういう態度をしたのだろう。」

「何時もは優しい子なんだよ。」

「大丈夫ですよ。俺は団長さんとかから話は聞いてるし、いい子だって知ってますから。」


クロロとシャルさんのフォローに申し訳なく思いながらも、ディーラさん本人は気にしていないようでホッとした。


「ユナ、俺はディーラと話があるんだが。」

『なら私、フェイタンさんと一緒に居ます。』


頷いて私を降ろしてくれたクロロとその場に居たシャルさんとディーラさんに頭を下げて、フェイタンさんの方へ行けばパクさんとマチさんが心配そうな表情をしていた。


「やっぱりまだ本調子じゃないようだね。」

『ごめんなさい…。』

「部屋に戻る?送るわよ?」


パクさんの提案に頭を振る。今は1人で居たくないんだ。これはきっと困らせているのもわかっている。
するとフェイタンさんの溜め息が頭上から聞こえてきて、やはりここに居るべきではないかと考え直す。


「ワタシ小守はしないよ。でも静かにしてるならここに居ても構わないね。」

「珍しくフェイタンが優しいね。」


ニヤリと笑いながら言うマチさんを睨みつけながらゆらりと立つフェイタンさん。このままだとここは戦場化する事を悟り、ガシッとフェイタンさんの服を掴んだ。もちろん睨まれるわけでかなり怖いが、最初に比べれば全く平気。何時の間にこんな度胸がついたんだ。


『あの……貸してくれたあの“拷問の入門”読みました!』

「…。どうだたか?」


こちらに興味をもってくれた事に心の中で喜ぶ。まず戦場にならなくて済むだろう。


『んー…入門ですからまだ何とも言えないですけど、あれよりまだ痛めつけられるのかと思うと興味がありますね。』

「ハハ、あんな生ぬるいの拷問にもならないね。そういえば今回盗んできたもの、今まで欲しいと思た本あたよ。読んだら貸してやるね。」

『本当ですか!?ありがとうございます!』


本を貸してもらう事に笑顔になればフェイタンさんは機嫌を良くしたのか、大人しくソファに座ってくれた事にホッと息を吐く。
向かいに座る、マチさんは呆れ顔でパクさんは苦笑いをしていた。


「ユナって本当に色んな意味ですごいよね。」

『そうですか?私はただ本をこよなく愛しているだけです。』

「…そうかい。」


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