白兎と冷酷人間

□危険人物との出会い
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『フェイタンさんの意地悪…。』


トボトボ歩く私は今ビルの影を歩いています。何故こんな事になったかと言うと……何故こんな事になったんだ。


『私、今日何もしてないよね…?ただ泊めてもらってるだけだし。』


あれから私はフェイタンさんの部屋で寝ているけど、別にフェイタンさんは何も言ってこないし、むしろ掛け布団貸してくれるし。
なのに何故今日私が昼間、広間に居たフェイタンさんに話し掛けたら外に投げ飛ばされたんだ。しかも無言で。
(いきなりすぎて対処しようがなかった。)


『私はゴミか何かか。……ん?いつもそんな扱いなような…。』

ドンッ

『あ、すみま「てめぇ、なにしやがるんだ!!」えぇぇぇ…。』


明らか相手がぶつかってるのに、何故私が今胸ぐら掴まれてるんだ。しかも私が小さいせいで足は地面から離れてる。


『いや、あの、すいません。あと首締まってるんですけど…。』

「あぁ゛?」


いや、フェイタンさん達に比べたら全然非力だが、やはり胸ぐらを掴まれていい気はしない。だけど男は更に怒ってしまったそうだ。


『ごめんなさい。じゃあ、何をすれば許してくれますか?』

「んじゃあ……身体で償え。」


ニタリと笑う男に私は胸ぐらを掴んでいる腕を掴む。


『あいにく、私は初めての人は好きな人がいいんです。』

「ぐっ…!?腕がぁ…!!」

『あ、力加減間違えた…。』


目の前でうずくまりながら腕を抑えてる男に私は自分の手を見て溜め息をつく。本当に少し力を入れただけで簡単に壊れてしまう。
やっぱり蜘蛛の人達が異常なんだろうな…。


「く、そぉ…!」

『もう諦めてくださいよ…。私、少し力加えただけなんですよ?』


それでも刃物を取り出して向かってくる男。まぁこんな小さい女に負けたくないという意地だろう。
私はまた溜め息をついて、隣にあった廃墟である壁を殴りつける。するとそれは大きなヒビになり、みるみるその廃墟は崩れていった。
(ちょっとやりすぎた気がするけど、この廃墟がもろかった事にしよう。)


『ね…?だからやめましょうよ。』

「ひ…ヒィイ!!ば、化け物ぉおお!!」

『化け物…ね…。』


去っていく男の背中を見つめながら呟けば、微かに空気を割く音と共に何かが飛んできた。別段気にする事なく掴めば、トランプ…?


『え…なんで?』

「いやぁ、ごめんごめん間違えて君にも投げちゃったよ◇」


ビル陰から出てきた人はピエロの姿をした人だった。いやいや、何でこんなとこにピエロ?
ふと、視線をさっきの男に向ければ倒れて血を流していた。それに首にはトランプがある。


『…何で殺したんですか…。』

「手が滑っちゃって

『はぁ…。』


手が滑っちゃってあんな綺麗に首に命中するわけない。
私がよくわからないような表情をすれば、ピエロさんは笑みを浮かべた。


「君こそ何で殺さなかったんだい?

『いや、別に殺さなくても私は無傷ですし、私の場合は正当防衛でやるくらいですから。』


トランプは別段変わったものでもない、ただのトランプ。
ピエロって本当にすごいなぁ、なんて考えてたらいきなり視界からピエロさんが消えた


『ちょ!な、何ですか!!』


と思ったら、攻撃をされた。
今日は何なんだ。理不尽な事ばかりなんだけど。
防ぎながら非難の声をあげれば、更に笑みを濃くされた。
(クロロさんとは違う怖さだ!)


「やっぱり君、強いねぇ…

『えぇぇ…、弱いですよ、っと!』


また投げられたトランプを避けながら後ろへ飛び退くけど、着地した途端に目の前に迫ってくる足。そして次の瞬間身体が吹っ飛んで、脆くなっていた壁を突き破る。


「ちょっと今のはやりすぎちゃったかな?◇」

『大丈夫ですよ…いてててて。慣れっこですので。』


よっこいしょ、と瓦礫をどかして身体の確認。
うん、大丈夫だ。これでこのビルが崩れてきて下敷きです、ってなれば話は別だが。
(それでも死ぬ気はないけど。)


「へぇ念も使えないのに今の攻撃を受けて無傷なんて…キミすごく美味しそうだね

『お、おいし…?いやいやいや!私は食べても美味しくないですよ!?』

「でもまだ今は青い果実◇だから我慢することにするよ

『あ、青い果実!?えっ、私果物扱い!?』


果物扱いなんて、初めてだぞ…!?これは貶されてるのか判断しにくい。
青いって事は私はいつ熟すんだ。まず何でその人は青いとかそんなの決められちゃうんだ。


「僕はヒソカ君は?

『へ?あ、私はルカです。えーと、ヒソカさん。』

「ん?

『私は何の果物でしょうか!?』


これでドリアンとかドラゴンフルーツとかだったらどうしよう。喜ぶに喜べない。
やっぱりサクランボとかモモとか…


「ククク…君やっぱり面白いね◇更に気に入っちゃった


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