白兎と冷酷人間
□腕相撲と未知
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「あ、ルカ、あの瓦礫どかしてほしーな。」
『がってんですよ!シズクちゃん!』
ちょうど広間に行けば、何か考えてる様子のシズクちゃんに頼まれたのはおっきな瓦礫。グッと手に力を込めて、両手で持ち上げる。
『この瓦礫、要らないものですか?』
「うん、そーだね。」
『なら捨てちゃいますね!!』
この間ウヴォーさん達が騒いでいたおかげで空いた大きな穴から外へと投げ捨てる。
隣からは、すごーい、と言いながら拍手してくれるシズクちゃんにちょっと照れたように笑う。
「かなり遠くまで飛ばしたねー。」
『へへ…。張り切っちゃいました。それより何でデメちゃんを使わなかったんですか?』
「あ、忘れてた。」
シズクちゃんはちょっと抜けてるが、まさか相棒を忘れるとは…。
この間初めてデメちゃんを見たけど、かなり可愛くて私は一目惚れしてしまった。ノブナガさん達には有り得ないと言われたが。
(マチちゃんにまで微妙な反応された時には本当にショックだった。)
「何か大きな音がしたと思ったら、ルカか。」
『あ、クロロさん。こんにち…あでっ!』
自室から出てきたクロロさんに挨拶の途中で何かに阻止された。だが私は誰だなんてもう思わない。
『フェイタンさん…痛いです…。』
「お前、邪魔する事ばかりするね。黙れないならその口縫うよ。」
『そ、そんなうるさかったですか…?』
「かなりね。フィンクスも驚いてたよ。」
フェイタンさんの後ろには眠そうな表情のシャルくんが居て、とても申し訳ない気持ちになった。
『ごめんな「ルカ。」……何ですか…。』
「お前、腕相撲を知ってるか?」
『…………かなり馬鹿にしてますよね。』
何故クロロさんはいつもこう、人の嫌がる事を率先してやるんだろう。
私が少し声を低くして言えば、何か面白い事でも思いついたのだろうか、笑みを浮かべた。
「今から俺達と力比べするぞ。」
「あ、そういえばルカやったことないもんねー。」
『え、腕相撲ってそんなに大事なんですか!?』
「やらないと死んじゃうよ。」
『本当ですか、シズクちゃん!?』
「ううん、嘘だよ。ごめんね。」
『……。』
「まぁ、今アジトに結構人居るからちょうどいいんじゃない?」
『でも「団長命令だ。」……。』
こうして腕相撲大会が始まった。
シズクVSルカ
『ふっ…!』
「あっ…。…あーあ、負けちゃった。さすがだね。」
『シズクちゃん、でもあなた普通の人よりかなり強いですよ。』
シャルVSルカ
『く、ぅ…!』
「…!うわっ!ルカ強ー。俺ビックリしたよ。」
『シャルくん、あなた本気じゃないでしょ。ずっと笑顔の人が本気出してる気がしないんですが…。』
「んー、気のせいだよ。」
クロロVSルカ
『う!…む、ぅ…!』
「…。ふぅ…さすがルカだな。負けだ。」
『シャルくんに続き、あなた達絶対本気出してないですよね!?腕相撲のあとにそんな爽やかな笑顔浮かべる人、居ませんから!』
マチVSルカ
『っ!ま、マチちゃ…!つっよ…!』
「ルカ、もね…!」
『ぅううう…!ぬぅう!!』
「…!あ!……負けた。」
『ギリギリ、ですよ…。腕…痛いです…。もー、ギブです…。』
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