ちゃいるど!!

□未知と私
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『クロロ!』

「あ、ユナだ。」


思いっきり扉を開ければ、そこにはクロロだけじゃなくてシャルさんも居た。
シャルさんは笑顔でおはよー、と言ってくれたので頭を下げて挨拶をする。


「どうした。」

『お話中だった…?』

「いや、大丈夫だ。」

『あのね、実は…』


パッとクロロの目の前に現れたコーヒーの入ったコップに、シャルさんは感嘆の声をもらす。
もちろんコーヒーは湯気が出てる熱々のだ。


「コントロール出来るようになったのか。」

『うん!コルトピさんにコントロールするの、手伝ってもらったんだよ。』

「へー。あ、制約か決めたの?」

『私が触ったものを私が見たことある場所に運べるってとこだけですね。時間はコントロール出来ますよ。』

「結構便利な能力だね。」

『あと、今トレーニング中なんですけど…』


シャルさんからいらない紙をもらって、手をかざして目を瞑ってイメージする。
そして目を開けば紙はなく、そこには小さな黒い球体。


『まだ時間がかかるんですが、物をこの球体に入れられるんです。球体の大きさは自由に出来ます。』

「これを取り出すにはどうするの?」

『私がまたイメージして……はい、元通りです。』


もとの大きさの紙に戻ったのを見て、シャルさんは「すごいねー」と言いながら、紙を掴んで見ている。


「よくやったな。」

『ありがとう!あ、じゃあこれだけなので、お邪魔しました。』


クロロから頭を撫でられ、少し恥ずかしいがやはり嬉しくて笑顔になる。
これが出来るまで何回失敗して、旅団のみんなに謝ったことやら…。
思い出しながら苦笑いする。
広間に行けばパクさんとフランクリンさんが居て、私の存在に気付くと優しく笑ってくれた。


「団長、何て言ってたかしら?」

『誉めてくれました!』

「良かったな。」

『はい!』


するとパクさんにご褒美と言われて渡された、ココアとチーズケーキに私の目が輝く。
私はここに来てからどうやら甘党になったらしい。


「おいしい?」

『おいしーです!さすがパクさんですね!』


パクさんのお菓子も料理もやっぱりいつ食べても最高だ。
機嫌よく食べていればフランクリンさんに話し掛けられる。


「ユナはどうして蜘蛛に入ろうと思ったんだ?」

『え…?』

「団長は入団しなくてもユナには不自由ない生活をさせるつもりだったと聞いてな。少し聞きたかっただけだ。」

「フランクリン。」

「別に無理に答えろとは言わないさ。」


パクさんがフランクリンさんを咎めるような声をあげれば、フランクリンさんは苦笑いするのを見て、私も苦笑いをする。


『クロロは…私に居場所と名前をくれたんです。』

「ユナとは団長ががつけた名前なのか?」

『そうなんです。私、この場でクロロと会って、死ぬ直前だったところをクロロに拾われたんですよ。拾ってもらって、名前をもらって、他にも沢山してもらったんです。』



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