ちゃいるど!!
□仲間と私
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「ユナー、入団おめでと!」
『あ、シャルさん。ありがとうございます。』
クロロやマチさん達と一緒に居れば、私の隣に腰掛けるシャルさんにお礼を言う。どこか上機嫌で少し酔っているのがわかる。チラリとフィンクスさん達の方を見れば、空き缶の山々。それなのにまだ本人達は飲んでいる。
目の前の静かに飲んでいる4人だって、さっきからずっと飲んでいるのに顔色1つ変えない。
『皆さんお酒強いんですね…。』
「ユナも飲んでみるー?」
『いえ、大丈夫です。』
「シャル、飲み過ぎよ。」
「だってダイヤもユナも手に入ったじゃーん。」
「ユナを物みたいに言うなって。」
ごめんねー、と言ってくるシャルさんに私は苦笑いをする。かなり酔ってるのかな。
「でもユナが仲間に入らないって言ったら、フェイタン殺す気満々だったんだよ?」
『えっ!』
「仲間にならないなら、これからの事も考えて殺したほうがマシね。」
「そう言いながらも、仲間になる事信じてたくせにー。」
「…その口縫てやろうか。」
ジロリとシャルさんを睨み付けるフェイタンさんを見れば、視線が合った。
『信じてくれてありがとうございます。』
「フン…別にお前居なくなても気にしないね。ただ、ワタシの約束守らないの気にくわないだけね。」
『あ、そうでした。今度本貸してくださいね。』
「いつでもいいね。」
はい、と言えばフェイタンさんは少し機嫌が良くなった様子だ。
「そういえば、ユナの念能力わかったのかしら?」
『それは…』
「こいつの能力は大方時空間ってところだろ。」
『時空間…?』
「消えたものが時間もバラバラに現れたりするものもあれば、また違う空間に飛ばされたりしている。」
そんな大層なものが私にあるのか。そう思うとゾッとした。
『なんか…すごい能力、身に付けちゃったね…。』
「怖いのか?」
『うん…。』
「ならコントロールできるように、トレーニングすればいいだろ。幸いアジトには誰かしら居る。暇な奴に付き合ってもらえ。」
『でももし、コントロールミスしたら…。』
違う場所に飛ばされるならいい。だけど異世界と呼べるものに飛ばされたら…?
するとクロロは微かに笑みを浮かべる。
「俺達を誰だと思っている。そんなヘマする人間なら蜘蛛にはいらない。」
酷いような言葉だがそれは仲間に確固たる自信があるから。
仲間って、いいなぁ…
騒いでいる声がうるさいと感じず、心地よく感じた。
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