ちゃいるど!!
□意外性と私
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あれから移動して少し薄暗い喫茶店の死角になった場所に私達は座った。
私はさっき頼んだ紅茶にミルクと砂糖を入れて飲む。
するとシャルさんはクロロに何かの資料を渡す。
クロロの隣に座っていた私から必然的に見えるわけで、見ても何も咎められなかったので一枚見てみる。まぁそこには、どこか黒魔術で使われそうな禍々しい名前と金額であるのか0の数がおかしいであろう何かのリストだった。
『オークション…?』
「さすがユナ。でもただのオークションじゃないよ。」
「闇オークションだ。」
『闇オークション?』と聞き返す私にクロロは頷く。
「普通では公に出せないような密輸されたものなどの集まりさ。その分金額はかなり高額になる。」
『そうなんだ…。でも何で?』
「ワタシたち緋の目売るためね。」
『緋の目…?』
「やめときな。お前が見たら悲鳴あげるぜ?」
「うるさいねフィンクス。」
そう言いながらフェイタンさんは私に瓶のようなものを投げてきた。シャルさん「商品なんだよ!?」と非難の声をあげる。
私は受け取った瓶をジッと見る。中には赤い色をした眼球。
「ほら、ユナ固まっちゃったじゃん。」
『すごい…。』
「え?」
「は?」
シャルさんとフィンクスさんはまるで何を言ってるんだ、という表情。クロロは別段変わった表情をせずに他の目を見ている。
『どうしたらこんな綺麗な色になるの?この人は視神経は私達とどう違うのかな。ね、クロロ!』
「さぁな。」
「なかなか見る目あるね。これ取り出すのなかなか苦労したね。」
『どうしてですか?』
「こいつら興奮する時だけ目が赤くなるね。」
『確かに眼球を傷付けずにこんなに綺麗な形で取るのには、周りの皮膚や筋肉を綺麗に取るか頭蓋骨を一気に切るか…それにしても至難の業ですよね。』
「お前なかなかわかるやつね。ワタシユナ気に入たよ。」
「え?ちょ?団長…?」
何この状況というような困惑した表情のシャルさんに口元を引きつらせるフィンクスさん。クロロはどこか呆れたような表情をしている。
「ユナは根っからの本好きだ。それはジャンル問わず本という本は全てだ。」
「へ、へぇ…。」
「マジかよ…。」
「嫌がらせで人体書を与えたら嬉々として読んでたからな。」
「今度ワタシのとておきの本貸してやるね。」
『ほ、本当ですか!?嬉しいです!!クロロ、フェイタンさんが本貸してくれるって!』
「あぁ良かったな。それは俺に見せなくていいし感想も言わなくていいからな。」
『…?うん、わかった。』
私は新しい本が読める事と本の会話が出来る事で気分上昇だ。
するとシャルさんはちょっとおずおずしながら私に話し掛けてきた。
「もしかしてユナって死体とか目の前で人が殺されるのとか殺すの平気な子…?」
『それは…死体なら何とか大丈夫ですけど…。後はあまり…。』
人は絶対に殺せない自信はある。まずそこまで慣れるかと言ったらNOだ。
でもこれは言って良かったのだろうか。
「良かったー。ユナが快楽殺人者だったら、更に変なのが増えちゃうんじゃないかと思ってさ。」
『へ、変なの…。』
て事は旅団には変人が居るのか。まぁ一般人から見たらみんな変わり者になってしまうが。
「もー、団長もいきなり言うから探すの大変だったんだよー?」
「2年も前の事だから無くしたとてっきり思ってたぜ…。それにフェイタンは探さねーしよ。」
「何故ワタシが探さなきゃいけないね。ワタシもう全部売たと思てたよ。」
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