ちゃいるど!!
□携帯少年と私
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「君がパクの言ってたユナちゃん?」
『ぇ?な、何で…?』
「あ、クロロが前に面白いもの拾ったって言っててね…」
ペラペラ喋っている目の前に居るこの青年は何なんだろう。先ほどから見知った名前と聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたのだが。
今日はクロロと買い物に行く事になっており、私は本屋で色々な興味深い本を見つけて、買ってもらってランチを食べる為にこの外のテーブルに座ってクロロ待っていた。そしたらいきなり目の前にこの青年が座ってきたのだ。
いや相席なら仕方ない、今日は一般からすれば休日と呼べる日だから人も混んでるし。
だが座ったと思ったら最初のような言葉を投げかけられた。
「なかなか会わせてくれなくてさ、そしたら偶然通ったら居たんだもん。」
ビックリしちゃった、と言う青年に、いや私はあなたが何故私の事をそんなに知っているのかビックリなんですが、と内心呟く。
『えと…あなたは…』
「あぁごめんごめん!俺シャルナーク、シャルって呼んで!」
『あ、はい…。あの失礼ですが、クロロ…さんとどのような関係でしょうか…?』
いやここでクロロを狙ってる奴なんです、なんて言われないだろう…たぶん。するとシャルさんは何か答えようとしたが私の後ろをみて、あ、と声をあげた。
「あ、団長。」
「シャル…何でお前がここに居る…。」
「ちょっとユナちゃんとお話してただけだよ。ね?」
『は、はぁ…。』
いや一方的に話されて全く何も理解していませんが。
それが伝わったのかクロロは溜め息を吐きながら、もう1つの椅子に座る。
「見る限り何もユナは理解していないようだが。シャル、一方的に知っているだけでユナは何も知らないぞ。」
「あ、そっか、ごめんね?」
『あ、お構いなく…。もしかして…幻影旅団さんですか…?』
「それは知ってるんだね。」と感心したような声をあげるシャルさん。
こんな強そうなオーラにパクさんとクロロの事を知ってるなら高い確率で幻影旅団だろう。
「改めてよろしくね。」
『あ、はいよろしくお願いします。知っての通りユナです。あ、呼び捨てで構いません。』
「うん、わかったよ。そういえば念覚えたんだね。」
「不本意だがな。」
コーヒーを飲みながら言うクロロに、私は買ってきてもらったフラクフルトを苦笑いしながら食べる。
シャルは興味深そうに声を上げる。
「系統は何?」
『まだ修行中でして…。』
「そっかぁ…。わかったら教えてよ!俺達少なからずユナに興味持ってるんだからさ。」
『俺達…?』
「旅団のみんなだよ。」
え…とフラクフルトを口から零れそうになるのを抑える。
それを見てシャルさんに笑われた、恥ずかしい…。
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