ちゃいるど!!

□新しい世界と私
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さて、ひとしきり笑ったところで現状打破はしてくれない。ならば行動するしか手段はないのだ。
異様に身軽になっていて異様に視力がいい事には、きっと驚いても仕方がない。そして歩いて歩いて歩いて、周りを見てわかった事は、ここは日本ではない。
何故ならまず日本のゴミ山に人であったものが転がっていたら、警察やらマスコミやらが居るであろう。あの時は視力が良くなっていた事を本当に恨んだ。
そして目が虚ろな人や、泣く事さえしない赤ん坊とその赤ん坊に壊れたように母乳をあげようとする女性。
そう、まさにゴミ山の街だ。まるで世の中なら生きているのに捨てられた世界。
もしかして私は日本の未来に来てしまったのか…?ならば私は未来の政治家を呪うであろう。
だが1つ、先程壁に落書きされていた文字や紙切れの文字を見て疑問を浮かべる。日本語とも他国語とも違い、むしろどこかの象形文字にすら感じた。
ならばここは何処なのだろう。
そしてこの街に居る私はやはり捨てられたのだろうか。

そんなセンチメンタルな気分も一瞬、そんな事を考えるならばまず生きなければ。
まずは寝床だ。屋根のある、人に見つからなさそうな場所。
それを探すために、歩幅が小さくなった事に苛立ちを感じながら、歩き始めた。


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