Novel

□プロローグ
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『魔法少女リリカルなのは』


=プロローグ=


海鳴市の中央にある高級マンション。ここでは最新の防犯システムの充実により、子どもに一人暮らしの経験を積ませるという名目のもと、大変多くの良家の子息子女が一人で生活している。

12畳程ある自室で、何やらモニターに映る誰かと会話している見た目11歳程度の黒髪の少年も、このマンションで一人暮らしをする一人だった。

両親は世界を股にかける資産家で、自宅には一年に一度帰るくらいしかしなかった。息子である少年が、同年代の子供たちに比べて遥かに大人びていたためである。

心配は無用、と仕事一本で働く両親に、少年は別に何も文句はない。両親の忙しさは理解しているし、最低でも年に一度帰ってくる。誕生日の日だって忘れずに必ず連絡をしてくれる。

十分だった。確かに淋しかったが、一人暮らしはいつか必ず経験することであるし、学校に行けば友人もいる。

何より、少年には相棒がいた。
どうやったのかは教えられなかったが、資産家の両親は管理局という次元司法機関に作ったコネを利用してインテリジェントデバイスをプレゼントしてくれた。

名をエヴォルト。
ミッド式銃型のデバイスで、形状カード型のスナイパーライフル。
暇があれば魔法を組んだり、エヴォルトに提示された射撃の訓練をしたり、体を鍛えたりして日々を過ごしていた。
 

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