Fairy

□第3章 逃走
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ステラを探しまわって何時間が経過しただろうか、ある大きな建物を前にしていた。
そこは、ステラとユージェがいた聖堂だった。

「アルビー、ここか?」

「あぁ、間違いないぞ」

ここにステラがいるか確認をとるコウ。それに対して断言するアルビー。
ルイカたちは今物陰に隠れていた。そこから出て聖堂に入ろうと物陰から出ようとしたとき、聖堂の扉が開いた。

「ステラ!……それにユージェも!!」

聖堂から出てきたのはステラとユージェ。それを追いかけようと、ルイカは物陰から飛び出した。

「き、君達は……」

驚いたように 口を開き、ルイカ達を見据える二人。
一旦足を止める。

「ステラを 王様に差し出す気なのか?」

ユージェが尋ねるとルイカは首を横に振り、相手を宥めるような口調で

「私達はステラ様を助けに来たの。このままじゃ、ステラ様が死ぬって聞いて……」

「そーそー。まだ俺らと同い年っぽいのに死ぬなんて嫌じゃん。まだ世界を味わってないのに。」

「ユウ!またアンタはステラ様にそんな口を!」

「ちょ、いででで!髪引っ張るな!馬鹿女!!」

そんな二人のやり取りは、コウによって制された。ユウとルイカは傷だらけの顔で そっぽを向いている。



「私を助けてくださるとはどういうことでしょうか?」

「そのままの意味です。ステラ様が、儀式にお出になられると聞いたので……。」

ステラの問いに対して淡々と答えるコウ。真剣な目で、ステラとユージェを交互に見ていた。

「じゃ、君たちは、ステラを連れ戻しに来たわけじゃないんだね?」

「何度もそう言っているだろうー、ユージェ。」

ニッカと、確認をとるように言うユージェにユウは笑いかけた。

「なら 決まりだな。……ヴァン!手伝ってくれ。」

ヴァンは黙って首を縦に振り、ユージェと同じような白いチョークのような物を手に持った。


暫くたって完成したのは、大きな魔法陣。

「これでよし。皆、中に入って。」

ユージェが今から行おうとしているのは、瞬間移動…所謂 ワープというヤツである。
魔法陣の真ん中には入れるスペースがある。




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