徒然

□趣
1ページ/1ページ

暑い日差しが降り注ぐ夏の午後の坂道
僕らは、少なくとも僕コト佐野良隆は汗を流し息も絶え絶えに垂直じゃないかと思いそうになる急な坂道を上っていた、
登っていたと言った方が気持ちが伝わるかもしれないことはさておき。


「こんな暑い日に図書館に行こうなんて言ったのは誰だよ」

お前だよ。
って言いそうになるのを必死に我慢した。
服の裾をぱたぱたさせながら言うクラスメイトの宮下純輝に苛立ちながらも、純輝は少しでも言い返すと大変な事になると知っていたから止めた。
奴は癇癪持ちなのである。
だが・・・悪い奴では無いのでそれなりは付き合っている。
「お前だよ、ジュン」
背筋がひやっとした。だが言った相手を思いだすと直ぐに、また熱気で背中が熱くなっていくのを感じた。
言った相手は宮下誠人
癇癪持ちに一言言える数少ない奴で、純輝の双子の兄
マジメで堅物で優等生・・でもなんか抜けてて、憎めない奴。
因みに誠人もクラスメイトである。そして今坂をイライラしながら登っているメンバーはこの三人である。
「んっだよ・・・俺は言ってねぇよ」
「否、言った」
‥もう止めた方が良いかな‥この二人はよく喧嘩をするそれも早く止めないと、取っ組み合いになる。取っ組み合いになると止める方も殴られることを考えて止めなくちゃいけない。
「流石にそれはめんどくさいしね」
思わず

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ